関西テレビグループとベリサーブ、放送波とブロックチェーンを組み合わせた災害時情報基盤の実証結果を公開

関西テレビグループとベリサーブ、放送波とブロックチェーンを組み合わせた災害時情報基盤の実証結果を公開

関西テレビ放送グループの関西テレビソフトウェアは、地上デジタル放送の仕組みとブロックチェーン技術を組み合わせた、災害時向けの情報配信・検証基盤の実証実験を実施しました。ソフトウェア検証を手がけるベリサーブが本基盤の安全性評価や比較検証を行い、その結果が2026年5月11日に発表されました。この取り組みは、インターネット接続が困難な状況下でも、行政手続きや経済活動を継続するための信頼できる情報基盤の実現を目指すものです。

放送波とブロックチェーンによる通信遮断への対策

関西テレビグループとベリサーブ、放送波とブロックチェーンを組み合わせた災害時情報基盤の実証結果を公開

今回の実証では、IPDC(IP Data Cast)と呼ばれる技術とブロックチェーンが組み合わされました。IPDCは、地上デジタル放送の仕組みを利用してデータをIPパケット形式で分割し、放送波に乗せて一斉配信する技術です。

この方式の最大の特徴は、インターネットなどの通信ネットワークに依存しにくい点にあります。大規模な災害によってインターネット接続が困難になった場合でも、放送波を通じて情報を届け、その情報が誰によって発信されたか、また改ざんされていないかをブロックチェーン上で確認できる仕組みを構築しています。これにより、非常時における情報の信頼性を担保することが期待されています。

第三者機関による評価と実運用に向けた課題

ベリサーブは、このIPDCとブロックチェーンを組み合わせた方式について、既存のPKI(公開鍵基盤)方式やDID/VC(分散型IDおよび検証可能な資格情報)方式との比較検証、およびリスクアセスメントやセキュリティ評価を実施しました。

検証の結果、災害時の情報流通基盤として一定の有効性が確認されました。一方で、社会実装に向けた課題も明確になっています。具体的には、不正な情報の混入をいかに防ぐか、また認証情報をどのように管理するかといった点について、想定されるリスクへの対応が必要であるとされています。

総務省の偽・誤情報対策事業としての位置づけ

本取り組みは、総務省が推進する「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業(令和7年度)」の一環として実施されました。

インターネット上での偽情報の拡散が社会課題となる中、放送インフラと分散型台帳技術を組み合わせることで、災害時という極限状態においても正確な情報を流通させるための技術検証が進められています。今後は今回の実証で得られた知見を基に、実際の社会実装に向けた検討が行われる予定です。

ポイント

1. 放送波(IPDC)とブロックチェーンを統合し、インターネットが遮断された環境でも機能する情報基盤を実証。

2. ブロックチェーンを用いることで、放送波で受け取った情報の「発信元」と「非改ざん性」を検証可能にする。

3. 総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」として、公的な枠組みで実施されている。

4. 第三者機関のベリサーブにより、既存のDID/VC方式などと比較して一定の有効性が確認された。

5. 実運用に向けては、不正情報の混入対策や認証情報の管理体制の構築が課題として挙げられている。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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