米国のバーニー・モレノ上院議員は、ステーブルコインの利回り(運用益)に関する規制案に反対する銀行業界を強く批判し、既存の金融構造を打破する姿勢を鮮明にしました。銀行業界が「CLARITY Act(クラリティ法案)」における利回り条項の阻止に向けてロビー活動を強化する中、モレノ議員はこれを「カルテルによる独占の維持」と表現しています。今週木曜日に予定されている上院銀行委員会の採決(マークアップ)は、米国のデジタル資産規制の行方を占う極めて重要な局面となります。
銀行業界による反対運動と利回りを巡る対立
今回の対立の焦点となっているのは、ステーブルコインの保有者に対して報酬や利回りを提供することを認める「CLARITY Act」の条項です。アメリカ銀行協会(ABA)をはじめとする銀行団体は、ステーブルコインが利回りを提供できるようになれば、伝統的な銀行預金から大量の資金が流出し、金融システムの安定を損なう可能性があると主張しています。
これに対し、モレノ議員は自身のSNSなどで、銀行業界がパニック状態でロビー活動を行っていると指摘しました。同議員は、銀行業界を「カルテル」と呼び、彼らが革新的なステーブルコインによる競争を排除し、自らの独占的地位を守ろうとしていると非難しています。
ステーブルコイン規制の妥協案と今後の展望
現在議論されている法案では、ステーブルコインの「受動的な保有」に対する利回りは禁止される一方で、決済や送金などの「活動に基づいた報酬(アクティビティ・ベース・リワード)」については認める方向で妥協案が探られています。しかし、銀行業界はこの妥協案に対しても、実質的に預金に代わる金融商品になり得るとの懸念を崩していません。
上院銀行委員会では今週木曜日(5月14日)に、この法案の修正および採決を行うマークアップが予定されています。モレノ議員は「カルテルを打破するために投票する」と宣言しており、Web3業界の推進派と伝統的な金融業界の利害が真っ向からぶつかる形となっています。この法案が委員会を通過すれば、米国におけるステーブルコインの法的枠組みが大きく前進することになります。
ポイント
- バーニー・モレノ上院議員が、ステーブルコインの利回り提供に反対する銀行業界を「カルテル」と厳しく批判しました。
- 銀行業界は、利回り付きステーブルコインが普及することで伝統的な銀行預金が流出(デポジット・フライト)することを懸念しています。
- 議論の焦点は、決済等の活動に応じた報酬を認める妥協案を、銀行規制と同等の基準で管理するかどうかにあります。
- 今週木曜日に上院銀行委員会で予定されている採決の結果は、今後の米国の暗号資産規制の方向性を決定付けるものとして注目されます。
- モレノ議員は、既存金融の独占を打破し、デジタル資産市場における自由な競争を促進するべきだという立場を強調しています。