マネックスグループ、クリプトアセット事業で増収を記録 KDDIとの資本業務提携と新会社設立を発表

マネックスグループは2026年5月12日、2026年3月期の通期決算を発表し、クリプトアセット事業の営業収益が前期比9.7%増の175億9200万円となったことを明らかにしました。暗号資産の売買代金が減少する一方で、新たに計上されたステーキング収益が業績に大きく寄与しています。また、同日にはKDDIとの資本業務提携および新会社の設立も発表されており、国内のWeb3普及に向けた大きな転換点となる可能性があります。

ステーキング収益が売上を牽引、事業構造の再編も実施

マネックスグループ、クリプトアセット事業で増収を記録 KDDIとの資本業務提携と新会社設立を発表

当連結会計年度よりマネックスグループは事業セグメントを刷新し、クリプトアセット事業の構成を再編しました。現在の同セグメントは、国内取引所のコインチェック、米NASDAQに上場するCoincheck Group N.V.、そして暗号資産ETFの運用を行う3iQ Digital Holdings Inc.で構成されています。

業績面では、コインチェックにおける暗号資産の売買代金が取引所で前期比21.3%減、販売所で7.4%減と落ち込み、トレーディング損益も13.3%減少しました。しかし、今期から新たに計上されたステーキング収益(保有する暗号資産をネットワーク維持に貢献することで報酬を得る仕組み)が25億2800万円に達し、減収分を補う形でセグメント全体の増収を実現しました。また、3iQの運用ファンドからも8億8200万円のステーキング関連収益が計上されています。

セグメント全体の損益は5億3900万円の損失となりましたが、前期に計上されたCoincheck Group N.V.の上場関連費用(約137億円)がなくなったことで、損失幅は大幅に縮小しています。

KDDIとの資本提携と「au Coincheck Digital Assets」の設立

決算発表とあわせて、連結子会社のCoincheck Group N.V.がKDDIと資本業務提携を締結したことが発表されました。KDDIは第三者割当増資を引き受ける形で6506万3256ドル(約102億円)を出資し、発行済株式の14.9%を取得する予定です。

この提携に伴い、コインチェック、KDDI、auフィナンシャルホールディングスの3社により、新会社「au Coincheck Digital Assets株式会社」が設立されました。新会社の主な事業内容は以下の通りです。

  • ノンカストディアルウォレット事業の推進:ユーザー自身が秘密鍵を管理する形式のウォレット(ノンカストディアルウォレット)を、会員数約3967万人の「au PAY」内のミニアプリとして提供することを目指します。
  • au経済圏との連携:auじぶん銀行やPontaポイントとの連携も視野に入れており、銀行口座からの直接入金やポイントによる暗号資産購入といった、日常的な利用環境の構築を計画しています。

本提携は、通信大手の顧客基盤と暗号資産取引所の技術力を掛け合わせることで、これまで暗号資産に触れてこなかった層へのアクセスを拡大させる狙いがあると見られます。

ポイント

  • マネックスグループのクリプトアセット事業は、前期比9.7%増の175億9200万円の営業収益を記録しました。
  • 暗号資産の売買代金が減少する中で、約25億円のステーキング収益が新たな収益柱として寄与しています。
  • KDDIがCoincheck Group N.V.に約6500万ドルを出資し、資本面での協力関係を構築します。
  • 新会社「au Coincheck Digital Assets」を通じ、au PAY利用者約4000万人規模へのWeb3サービスの提供を目指します。
  • 従来の取引所形式だけでなく、ユーザーが自ら資産を管理する「ノンカストディアルウォレット」の普及を推進する点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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