バミューダ政府とステラ開発財団(SDF)は、同国の決済および金融サービス業務をステラ(Stellar)ブロックチェーン上に移行すると発表しました。これはバミューダが掲げる「完全なオンチェーン型国家経済」の実現に向けた初の具体的な運用上の節目となります。この取り組みにより、行政サービスの効率化や、国内加盟店が直面している高い決済手数料の削減が期待されています。
住民および金融機関向けの具体的なサービス展開
今回の移行により、バミューダの住民はステラ・ネットワーク上のデジタルウォレットを利用できるようになります。これにより、給与の受け取りや店舗での支払い、行政手数料の納付、さらにはデジタル資産の保有や送受信が日常的に行える環境が整う見込みです。
また、政府機関はステーブルコイン(法定通貨と価値が連動するように設計された仮想通貨)を用いた決済の試験運用を開始する計画です。民間部門においても、金融機関がトークン化(資産をブロックチェーン上のデジタル証券として発行すること)ツールを自社のサービスに統合する動きが進められます。
導入の背景と規制上の優位性
バミューダがステラを選択した背景には、既存の決済インフラが抱えるコスト課題があります。バミューダのデイビッド・バート首相によれば、現地の加盟店はカード決済において3〜5%、業種によっては最大10%もの手数料を負担しており、デジタルドルの導入がこの状況を劇的に改善する可能性があるとしています。
技術面では、ステラが規制対応を前提に設計されたブロックチェーンであることが評価されました。ステラには、発行者が資産のコントロールを保持するための機能や、コンプライアンス(法令遵守)を遵守するためのツールがプロトコル層に組み込まれています。
さらに、バミューダは2018年に「デジタル資産事業法(DABA)」を制定しており、早期から包括的な法的枠組みを整備してきました。SDFのデネル・ディクソンCEOは、バミューダの規制の明確さと、政府の強い主導力が今回の連携を可能にしたと述べています。
ポイント
- 世界初の「完全オンチェーン国家経済」を目指すバミューダにおいて、具体的な運用が始まる重要なマイルストーンとなります。
- 住民はデジタルウォレットを通じて、給与受取から納税までを一貫してブロックチェーン上で行えるようになります。
- 決済手数料の大幅な削減を目指しており、地元経済の競争力強化につながる可能性があります。
- 2018年制定のDABAによる規制の明確化が、国家規模のブロックチェーン導入を支える基盤となっています。
- ステラ・ネットワークの持つ「規制対応の容易さ」が、公共部門のインフラとして採用された主要な要因と見られます。