決済大手のStripe(ストライプ)は、AIビジネスを対象とした新たな決済機能「ストリーミング決済」を発表しました。この機能は、独自開発のレイヤー1(L1)ブロックチェーン「Tempo」とステーブルコインを組み合わせることで、AIトークンの消費に応じたリアルタイムの課金・回収を可能にするものです。AIエージェントによる高頻度な少額決済(マイクロペイメント)に対応することで、従来の決済インフラにおけるコスト負担や処理速度の課題解決を目指しています。
AIトークン消費に連動するリアルタイム決済の仕組み
AIプロダクトにおいては、ユーザーやAIエージェントが短時間に大量のトークンを消費するため、数ミリ秒単位で発生する極少額の支払いを従来の決済システムで処理することは困難でした。このため、サービス提供側が推論コストなどのインフラ費用を先行して負担する構造になりやすいという課題がありました。
今回発表された機能では、Stripe傘下のMetronomeによる利用状況のトラッキングと、決済特化型ブロックチェーン「Tempo」上のステーブルコインによる決済を統合しています。これにより、AIトークンが使用されたタイミングで、企業がトークンごとの支払いを受け取れるようになります。この仕組みは、AIビジネスにおける資金回収の効率化に寄与すると見られます。
決済特化型L1「Tempo」の役割と関連機能の拡充
Tempoは、Stripeと米ベンチャーキャピタルのParadigmが共同で立ち上げた、決済処理に特化したレイヤー1ブロックチェーンです。AIエージェントによる少額・高頻度の決済や、ステーブルコインを用いたグローバル決済を想定して設計されています。
このネットワークには、Visaもアンカーバリデーター(ネットワークの検証を行う重要な参加者)として参加しており、カード決済網とMachine Payments Protocol(マシン・ペイメンツ・プロトコル:機械間の決済を支える規約)の接続が進められています。今回の発表ではストリーミング決済のほか、AIエージェント向けウォレットや、ステーブルコインを活用した送金、デジタル資産アカウントなど、AIと金融サービスを統合する複数の機能群が提示されました。
国内展開と今後のスケジュール
ストライプジャパンは2026年5月13日、国内向けにこれらの発表内容を紹介しました。ただし、ストリーミング決済の日本国内における具体的な提供時期や提供条件については、現時点では明らかにされていません。
ポイント
- AIトークンの消費量に応じたリアルタイムの課金・回収が可能になり、企業のインフラコスト負担の軽減が見込まれます。
- 決済特化型L1「Tempo」とステーブルコインを活用することで、従来のシステムでは困難だった高頻度・極少額の決済(マイクロペイメント)に対応しています。
- Visaがバリデーターとして参加するなど、既存の金融インフラとブロックチェーン技術の統合が進められている点で注目されます。
- ストリーミング決済のほか、AIエージェント向けウォレットなど、AI時代を見据えた決済インフラの拡充が進んでいます。
- 日本国内での提供時期や詳細な条件については、今後の発表が待たれる状況です。