ビットコイン市場では、デリバティブ市場におけるマイナスの資金調達率(ファンディングレート)が過去最長となる74日間続いており、投資家の間で慎重な姿勢が定着しています。こうした停滞感を打破する材料として、現在2つの大きなイベントに注目が集まっています。5月14日に予定されている米上院での規制法案の採決と、マイクロストラテジー社による優先株の配当に関連した動きです。
米上院での「CLARITY法」採決と規制の明確化
2026年5月14日、米上院銀行委員会において「デジタル資産市場CLARITY法(Digital Asset Market CLARITY Act)」のマークアップ(法案の修正・採決)が行われる予定です。この309ページに及ぶ法案は、これまで曖昧だったSEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄権を明確に分けることを目的としています。
法案の主な内容には、2026年1月1日までに現物ETP(上場取引型金融商品)の主要資産として承認されたトークンを「非証券」として恒久的に扱うことや、ステーキング活動の保護、決済用ステーブルコインに対する1:1の準備金維持の義務化などが含まれています。この法案が通過すれば、規制の不透明感が払拭され、機関投資家によるさらなる資金流入を後押しする可能性があると見られています。
マイクロストラテジー社のSTRC配当と市場への影響
マイクロストラテジー社が発行する優先株「STRC(Variable Rate Series A Perpetual Stretch Preferred Stock)」の配当イベントも、ビットコイン価格を押し上げる要因として期待されています。5月15日に配当落ち日を控えており、市場では同株の取引量が急増しています。
現在、同社はSTRCの配当を月1回から月2回へ変更することを検討しているとされています。この配当に関連した構造的な動きが、同社によるさらなるビットコインの買い増しを誘発する可能性が指摘されています。マイケル・セイラー氏は、今回の法案採決や同社の金融戦略が、米国におけるデジタル資本やデジタル資産を裏付けとした新たな信用供与の波を解禁するものになるとの考えを示しています。
過去最長のマイナス資金調達率とショートスクイーズの可能性
K33リサーチの報告によると、ビットコインの無期限先物市場における資金調達率は5月11日時点で74日間連続のマイナスを記録しました。これは過去10年間で最長の記録であり、市場参加者が極めて防御的なポジションをとっていることを示しています。
マイナスの資金調達率は、売りポジション(ショート)を保有する側が買いポジション(ロング)側に手数料を支払っている状態を指します。歴史的に、このような弱気なセンチメントが極端に積み上がった状況は、価格が一定の抵抗線を上抜けた際にショートポジションの強制買い戻しを伴う「ショートスクイーズ」を引き起こしやすく、急激な価格上昇のきっかけとなる可能性があると分析されています。
ポイント
- 米上院銀行委員会で5月14日に包括的な仮想通貨規制案「CLARITY法」の採決が予定されており、規制の明確化が期待されています。
- マイクロストラテジー社の優先株「STRC」の配当イベント(5月15日配当落ち)が、同社のビットコイン蓄積戦略を加速させる触媒として注目されています。
- ビットコインの資金調達率が74日連続でマイナスとなり、過去10年で最長の弱気センチメントを記録しています。
- 市場が極端に弱気へ傾いている現状は、法案通過などの好材料をきっかけとした大規模なショートスクイーズを誘発する条件を整えていると見られます。