英国を拠点とするフィンテック企業のRevolut(レボリュート)が、預入資産50万ポンド(約1億円)以上の顧客を対象としたプライベートバンキング部門を英国で設立する計画であることが報じられました。この動きは、同社の既存の仮想通貨サービスを利用する富裕層へのアピールを強化し、Web3資産と伝統的資産を統合した資産管理ニーズに応える狙いがあると見られます。急成長する仮想通貨市場の富裕層を伝統的な金融サービスの枠組みに取り込む、重要な転換点となる可能性があります。
マス富裕層をターゲットとした新たな戦略
Revolutが計画しているプライベートバンキング部門は、預入額50万ポンド以上の顧客を対象としています。これは、伝統的なプライベートバンクが対象とする超富裕層よりも一段低い「マス富裕層」と呼ばれる層をターゲットにしていると見られます。
英国の伝統的なプライベートバンクの中には、最低預入額を300万ポンドに引き上げるなど対象を絞り込む動きがあり、Revolutはその隙間を埋める存在となることを目指しているとされています。既存の1,000万人を超える仮想通貨ユーザーベースの中から、多額の資産を保有する層に対して、より高度でパーソナライズされたサービスを提供することが期待されています。
規制当局の承認と提供されるサービス
今回のプライベートバンク設立の背景には、規制当局からの相次ぐ承認があります。Revolutは2026年3月に英国健全性規制機構(PRA)からフル銀行免許を取得したほか、金融行為規制機構(FCA)からも、レバレッジ商品、一任勘定によるポートフォリオ管理、個人向け資産管理アドバイザリーサービスを提供するための許可を得たとされています。
これらの許可により、Revolutは単なる決済や取引のプラットフォームから、投資助言や資産運用を一体化して提供できる金融機関へと進化する形となります。具体的には、仮想通貨と伝統的な金融資産を組み合わせたポートフォリオの構築や、高度な投資戦略の提供が可能になると見られています。
仮想通貨事業との相乗効果とビジネスへの影響
Revolutのウェルス(資産管理)部門は、これまで主に仮想通貨関連サービスを通じて成長しており、2025年の同部門の収益は前年比31%増の8億7,600万ドルに達したと報じられています。今回のプライベートバンク設立は、この好調な仮想通貨事業を基盤として、さらなる収益基盤の多様化を図るものと見られます。
また、世界最大級の資産運用会社であるBlackstone(ブラックストーン)との間で、同社の投資ファンドをRevolutのプライベートバンキング顧客に提供するための提携協議が行われているとの情報もあります。これが実現すれば、仮想通貨で資産を築いた投資家が、Revolutを通じて世界トップクラスのオルタナティブ投資商品にアクセスできるようになり、Web3と伝統的金融の融合がさらに進む可能性があります。
ポイント
- Revolutが英国で預入資産50万ポンド(約1億円)以上の顧客を対象としたプライベートバンキング部門を今夏にも設立する計画です。
- 伝統的なプライベートバンクが対応しきれていない「マス富裕層」をターゲットとし、市場の隙間を狙う戦略と見られます。
- FCAやPRAからの新たなライセンス取得により、レバレッジ商品やポートフォリオ管理など、より高度な金融サービスの提供が可能になります。
- 1,000万人以上の仮想通貨ユーザーを抱える強みを活かし、仮想通貨と伝統的資産を統合した管理ニーズに応える狙いがあります。
- Blackstoneとの提携の可能性も報じられており、富裕層向けサービスの拡充により企業の評価額向上を目指す動きとして注目されます。