日本円ステーブルコイン「JPYC」がLINE上のウォレット「Unifi」で5月22日より利用可能に

JPYC株式会社は、LINEアプリ上で利用できるステーブルコインウォレット「Unifi」において、日本円ステーブルコイン「JPYC」の利用を2026年5月22日から開始すると発表しました。同社とLINE NEXTは2月にUnifiでのJPYC採用を決定していましたが、今回の発表で具体的な利用開始日が示されました。LINEのプラットフォームを通じて、一般ユーザーが日常的にステーブルコインを利用できる環境が整うことになります。

LINEアプリ内で完結するステーブルコインの送金と決済

日本円ステーブルコイン「JPYC」がLINE上のウォレット「Unifi」で5月22日より利用可能に

「Unifi」は、LINEヤフー傘下でWeb3事業を担うLINE NEXTが提供する、LINEアプリ上で利用可能なノンカストディアル型(ユーザー自身が暗号資産の管理権限を持つ形式)のステーブルコインウォレットです。

今回の連携により、ユーザーはLINEアプリ上でウォレットの開設から、日本円ステーブルコイン「JPYC」の送金、決済、リワード(報酬)の受け取りまでを一貫して行えるようになります。JPYCは日本円と1対1で交換可能なステーブルコインであり、その裏付け資産は預貯金や国債で保全されているため、同額の日本円への償還が保証されています。

国内で圧倒的な利用者数を持つLINEアプリにJPYCが統合されることは、リテール(個人向け)領域におけるステーブルコインの普及を大きく後押しするものと見られます。

Kaiaチェーン対応とマルチチェーン展開の推進

JPYC社とLINE NEXTは、Unifiでの採用とあわせて、マルチチェーン展開を見据えた連携を強化しています。具体的には、ブロックチェーンネットワークである「Kaia(カイア)」上でのJPYC発行に向けた検討が進められています。

これに関連し、JPYC社は5月15日に、自社サービス「JPYC EX」においてKaiaチェーンへの対応を開始したと発表しました。これにより、Kaia上でのJPYCの発行・償還、およびウォレットアドレスの登録が既に可能となっています。

また、JPYC社は5月16日付で、JPYCの発行上限を従来の「1日100万円」から「1回100万円」へと変更しました。こうしたインフラ整備とルールの変更は、LINE NEXTとの連携による利用者の増加や、より大規模な決済需要に対応するための準備であると考えられます。

リテール領域におけるステーブルコイン活用の重要性

JPYC代表取締役の岡部典孝氏は、以前のパネルディスカッションにおいて、リテール領域でのJPYC活用について、LINE NEXTとの連携に強い期待を示していました。

現在、JPYCの活用はHashPortが運営する「HashPort Wallet」などが先行していますが、LINEという巨大なユーザー基盤を持つプラットフォームでの利用開始は、決済のボトルネックを解消し、企業の成長を支援する可能性を秘めています。

同社は2026年4月にメタプラネットなどから28億円の追加資金調達を実施しており、シリーズBでの累計調達額は約46億円に達しています。豊富な資金力を背景に、LINE NEXTとの連携を通じたWeb3エコシステムの拡大が加速していく見通しです。

ポイント

  • 2026年5月22日より、LINE上のウォレット「Unifi」でJPYCが利用可能になります。
  • LINEアプリ内でウォレット開設から決済、送金までが完結し、利便性が大幅に向上します。
  • Kaiaチェーンへの対応開始により、マルチチェーンでの利用環境が整備されています。
  • 発行上限の緩和や大規模な資金調達を経て、リテール決済領域での普及が期待されます。
  • LINE NEXTとの連携は、日本国内におけるステーブルコインの社会実装を推進する重要な節目となります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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