米国ビットコイン(ABTC)がMicroStrategyの戦略を追随、準備資産は拡大するも株主には逆風

2026年5月、トランプファミリーが手掛ける「American Bitcoin(ABTC)」が、MicroStrategy(マイクロストラテジー)社の手法をモデルとしたビットコイン準備資産の拡大を強調しました。MicroStrategyによる20億ドル規模の巨額購入が話題となる中、ABTCも保有量を7,500 BTC以上に伸ばし世界15位に浮上しましたが、その一方で株価は過去最安値を更新しており、株主は厳しい状況に直面しています。企業によるビットコイン蓄積戦略が加速する一方で、株式市場での評価との乖離が鮮明になっています。

MicroStrategyによる2026年第2位の巨額ビットコイン購入

米国ビットコイン(ABTC)がMicroStrategyの戦略を追随、準備資産は拡大するも株主には逆風

2026年5月、MicroStrategy社(一部ソースでは「Strategy」に社名変更したとされています)は、約20億1,000万ドルを投じて24,869 BTCを追加購入しました。これは2026年における企業によるビットコイン購入としては、現時点で2番目の規模となります。同社は一貫してビットコインを企業財務の核心に据える戦略を維持しており、市場における主導的な地位をさらに固めています。この動きは、他の上場企業がビットコインを準備資産として採用する際の重要な指標(プレイブック)となっています。

トランプ氏関連のABTC、準備資産で世界15位へ浮上

エリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏が共同創設したAmerican Bitcoin(ABTC)は、2025年9月のナスダック上場以来、急速にビットコイン保有量を拡大させています。最新の報告によると、同社の準備資産は7,500 BTCを超え、上場からわずか8カ月余りで公開企業としての保有量ランキングを15位まで上げました。ABTCは、自社マイニングによる獲得と市場での直接買い付けを組み合わせることで、1株あたりのビットコイン最小単位保有量を示す「Satoshis per share(SPS)」という独自指標を上場時の2倍以上に成長させたとアピールしています。

資産拡大の裏で直面する「株主の苦痛」

ビットコインの準備資産がデビュー時の3倍以上に成長した一方で、ABTCの株価パフォーマンスは対照的な動きを見せています。2026年5月18日、同社の株価は前日比8%下落して過去最安値を記録し、上場直後の高値からは90%以上下落した状態にあります。ビットコインのスポット価格が軟調に推移する中、積極的な蓄積戦略に伴う株式の希薄化や財務的な負担が、投資家のセンチメントに悪影響を及ぼしていると見られます。準備資産の増大が必ずしも即座に株主価値の向上に直結しない現状は、Web3企業の財務戦略における新たな課題を示唆しています。

ポイント

  • MicroStrategyが2026年で2番目の規模となる約20億ドルのビットコイン追加購入を完了しました。
  • トランプ氏関連のABTCがその戦略を追随し、保有量を7,500 BTC(世界15位)まで拡大させたことで注目されます。
  • ABTCは「1株あたりのサトシ(SPS)」の増大を強調していますが、株価は過去最安値圏で推移しています。
  • 2026年においても、上場企業によるビットコインの戦略的保有は重要なトレンドとなっています。
  • 資産規模の拡大と株価パフォーマンスの乖離は、ビットコインを財務資産とする企業の評価における論点となっています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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