Zerohash EuropeがオランダでEMIライセンスを取得、MiCAと合わせ欧州ステーブルコイン基盤を強化

暗号資産インフラを提供するZerohash Europe(ゼロハッシュ・ヨーロッパ)は、オランダ中央銀行(DNB)から電子マネー機関(EMI)ライセンスを取得しました。同社はすでに欧州の暗号資産規制MiCAのライセンスを保有しており、両ライセンスを併せ持つ初の企業となります。これにより、同社は欧州経済領域(EEA)において、暗号資産と伝統的な電子マネーフローの双方を統合した、規制準拠のステーブルコイン決済基盤を提供できる体制を整えました。

MiCAとEMIの「二重取得」による規制への完全準拠

Zerohash Europeは、2025年10月にオランダ金融市場庁(AFM)からMiCAライセンスを取得していました。MiCAはEU全域で暗号資産のカストディ、発行、取引などを包括的に規制する枠組みですが、ステーブルコイン(電子マネー・トークン)を用いた決済フローについては、既存の電子マネー規制に基づく追加の監督が必要とされています。

欧州銀行監督機構(EBA)は2025年6月のノーアクションレターおよび2026年2月の追加説明において、ステーブルコインを活用した金融フローを扱うMiCAライセンス企業に対し、決済ライセンスまたはEMIライセンスの取得を求めていました。今回のライセンス取得は、こうした欧州の最新の規制要件に直接対応するものであり、同社は暗号資産サービスと伝統的な決済サービスの双方を規制下で提供できる、欧州で唯一の事業者となりました。

法人向けステーブルコイン決済インフラの拡大

今回のEMIライセンス取得により、Zerohashは銀行、証券会社、フィンテック、決済事業者、企業向けプラットフォームに対し、欧州経済領域(EEA)全域でステーブルコイン決済やデジタル資産関連サービスを提供することが可能になります。

同社のマネージングディレクターであるローランド・ゴールドバーグ氏は、欧州にはステーブルコイン活用の大きな市場があると述べています。同社はすでに、アムステルダムでの拠点を拡大し、インタラクティブ・ブローカーズ・ヨーロッパなどのパートナーにサービスを提供しています。2017年に創業したZerohashは、米国51の管轄区域のほか、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどグローバルに規制対応を進めており、2025年には評価額が10億ドル(約1600億円)に達しています。

ポイント

  • Zerohash Europeがオランダ中央銀行からEMIライセンスを取得し、欧州での事業基盤を強化しました。
  • MiCAライセンスとEMIライセンスの両方を保有する初の企業となり、暗号資産と電子マネーの双方を規制下で扱えるようになります。
  • 欧州銀行監督機構(EBA)が求める「ステーブルコイン決済における追加ライセンス」の要件を満たした、初の事例となります。
  • 銀行やフィンテック企業に対し、欧州経済領域(EEA)全域で規制に準拠したステーブルコイン決済インフラを提供可能にします。
  • 同社はシリーズD-2ラウンドで1億400万ドルを調達しており、評価額10億ドルのユニコーン企業としてグローバルに規制対応を拡大しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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