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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

Ledger社CEOが端末不正改造問題をめぐり元マウントゴックス代表と対立。不正流出被害は9,000万ドル規模に達する見通し

暗号資産ハードウェアウォレット大手Ledger(レジャー)のパスカル・ゴーティエ最高経営責任者(CEO)と、かつて暗号資産取引所マウントゴックス(Mt. Gox)を運営していたマーク・カルプレス氏の間で、ウォレット端末への不正部品埋め込み問題をめぐる主張が対立しています。カルプレス氏は、Ledger社が2026年3月の時点で高度なスパイインプラント(不正チップの埋め込み)の脅威を把握していたと主張し、より早期かつ効果的な警告を行っていれば9,000万ドル規模の流出被害を防げた可能性があると指摘しました。これに対しゴーティエ氏は、同社は常にユーザー保護を最優先にしてきたと反論し、憶測ではなく事実に基づいて発言するよう求めています。ハードウェア端末のサプライチェーンにおけるセキュリティ管理と企業の情報開示の姿勢をめぐり、暗号資産業界内で議論が起きています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

不正チップ把握の時期と警告対応をめぐる双方の主張

今回の対立は、カルプレス氏がソーシャルメディア上でLedger社の対応を批判したことに端を発しています。同氏の主張によると、Ledger社は2026年3月の段階で端末に不正なスパイ部品が仕込まれるリスクを把握しており、公式の教育コンテンツであるLedger Academyの記事で触れるにとどまっていたとされています。カルプレス氏は、同社がより早い段階で公に十分な警告を発していれば、結果として発生した9,000万ドル以上の資産流出被害を回避できた可能性があると疑問を呈しました。

これに対し、Ledger社のゴーティエCEOはカルプレス氏の指摘に強く反発しました。ゴーティエ氏は、セキュリティ対策における困難さを認めた上で、自社は利用者の保護に向けて全力を尽くしてきたと説明しています。また、カルプレス氏に対して自身を救世主のように見立てる姿勢を改め、現実を見るべきだと反論し、推測による批判ではなく確認された事実に基づく議論を行うよう求めました。

9,000万ドル規模の不正流出とサプライチェーン攻撃の課題

この対立の背景には、正規の流通経路外などで改ざんされたLedger端末を通じて、推定9,000万ドルに上る暗号資産が不正に流出したとされる深刻なセキュリティ侵害が存在します。流通の過程で端末内部に不正なチップが埋め込まれ、画面に表示される秘密鍵の復元フレーズ(リカバリーフレーズ)が攻撃者に盗み見られて資産が抜き取られるサプライチェーン攻撃が発生したとされています。

暗号資産の自己管理(セルフカストディ)において、オフラインで秘密鍵を管理するハードウェアウォレットは最も安全な手段の一つとみなされてきました。しかし、端末の製造から利用者の手元に届くまでの物理的なサプライチェーンにおける改ざんリスクや、メーカー側による迅速なインシデント開示の重要性が、今回の9,000万ドル規模の不正流出事件を通じて強く認識されています。

ポイント

  • Ledger社のパスカル・ゴーティエCEOと元マウントゴックス代表のマーク・カルプレス氏が、ウォレット端末へのスパイチップ埋め込み問題をめぐり対立しています。
  • カルプレス氏は、Ledger社が3月時点で脅威を把握していたとし、適切な事前警告があれば9,000万ドル規模の不正流出を防げた可能性があると主張しています。
  • ゴーティエCEOは利用者の保護を最優先に対応してきたと反論し、カルプレス氏に対して憶測を排して現実的な事実に基づくよう求めています。
  • 物理的なサプライチェーンにおける端末の改ざんリスクと、メーカー側の適時適切な情報開示のあり方が問われる事例として注目されています。

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