米金融大手JPモルガンが、同行の発行する米ドル建てトークン「JPMコイン(JPM Coin)」を機関投資家向けにイーサリアム(Ethereum)ネットワークへ拡張しました。このトークンは同行から承認を受けた取引先のみが利用可能であり、パブリックブロックチェーン上でありながらアクセスが制限されたパーミッション型(許可型)の運用が維持されます。伝統的な金融機関が発行する銀行マネーがパブリックブロックチェーンへと展開される事例として、機関投資家によるオンチェーン決済や運用の基盤形成において重要と見られます。
クリプトマーケットの動きは、総研プライムの週刊レポート「週刊クリプトマーケット」で毎週追っています。最新号を読む(初月無料)
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
承認済み取引先に限定したパブリックチェーン展開

JPモルガンが提供するJPMコインは、同行が発行する米ドル建てのトークンです。今回の拡張により、同トークンはイーサリアムのブロックチェーン上でも利用できるようになります。
ただし、このトークンは一般のウォレット保有者に対して無条件に開放されるわけではなく、事前に承認された取引先のみに利用が限定されています。イーサリアムのようなパブリックブロックチェーン(誰でもネットワークに参加・閲覧できる分散型台帳)の基盤を活用しながらも、参加者を適格なカウンターパーティに絞ることで、パーミッション型の銀行マネーを別のパブリックチェーン上へ持ち込む形となっています。
機関投資家向けオンチェーン基盤としての意義
パブリックブロックチェーン上に銀行発行のドル建てトークンが導入されることは、伝統的金融とブロックチェーン技術の統合を進める上で重要な動きと見られます。イーサリアムという既存のパブリックチェーンインフラを利用しつつ、取引主体を厳格に限定することで、規制要件やコンプライアンスを遵守しながら機関投資家向けのデジタル決済や資金移動を実現する基盤となる可能性があります。
ポイント
- JPモルガンが機関投資家向けにドル建てトークン「JPMコイン」をイーサリアムへ拡張しました
- トークンの利用は同行から承認を受けた取引先に限定されています
- パブリックブロックチェーン上に許可型の銀行マネーを導入するアプローチとして注目されます
- 伝統的金融機関が規制を遵守しながらパブリックチェーンを活用する先行事例となる可能性があります