NFTやWeb3の新しい世界に興味はあるものの、詐欺やリスクの多さに不安を感じていませんか?
「少しの油断が命取り」「大きな損失が怖い」と頭ではわかっていても、具体的にどう対策すればいいか分からない方も多いです。
今回、Pacific Meta Magazineでは、NFTの詐欺について以下の内容について紹介しています。
- NFT詐欺の仕組みと背景
- 初心者が注意すべき代表的な手口
- 実際にあった詐欺事件とその教訓
- 対策方法・見分け方から被害時の対応まで
- 信頼できるNFTプロジェクトの見極め方と最新動向
この記事を最後まで読むことで、あなたのNFT投資やクリエイター活動を守るための知識と心構えを身につけることができます。
ぜひ最後までご覧ください。
Pacific Meta(パシフィックメタ)では、Web3やブロックチェーンを活用した事業の構想・戦略策定を伴走支援しています。
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幅広いサービスや、Pacific Metaが選ばれる理由なども分かりやすく解説しています。
NFT詐欺とは?その仕組みと背景を徹底解説
NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン上で唯一性や所有権を証明できるデジタル資産です。
アートや音楽、ゲームアイテムなど幅広い分野で活用が進む一方、NFTを悪用した「NFT詐欺」も急増しています。
NFT詐欺とは、NFTの仕組みや人気に便乗して金銭や仮想通貨をだまし取る行為全般を指します。
たとえば、偽のNFT投資話で出資を募る「NFTの投資詐欺」や、NFTの購入を装いウォレット情報を盗むフィッシングなど、その手口は多岐にわたります。
刑法上は詐欺罪(刑法第246条)に該当する場合があり、海外ではすでに逮捕・起訴される事例も出ています。
NFT詐欺が増えている背景には、Web3市場の急成長と規制の遅れがあります。
NFT取引は世界的に数百億円規模へと拡大し、初心者や個人投資家も参入しやすくなりました。
しかし、ルールや基準が整っていないため、悪意ある集団にとっては格好の狩場となっています。
加えて、ブロックチェーン上の取引は一度送金すると取り戻すのが困難です。
こうした仕組み面の弱点から、NFT詐欺の温床が生まれているのです。
なぜNFT詐欺が増加しているの?
第一の要因は、NFTや暗号資産を取り巻く市場が急拡大していることです。
投資熱や注目度が急上昇する反面、新規参入者が非常に多く、知識不足を狙った詐欺が後を絶ちません。
第二に、法整備や規制が十分ではない点も見逃せません。
日本国内では暗号資産そのものは金融商品取引法や資金決済法などの枠組みがありますが、NFT特有の規制はまだ整備途上です。
海外でも各国間で足並みが揃わず、詐欺グループが匿名で活動しやすい状況が続いています。
第三に、ブロックチェーンの「不可逆性」が挙げられます。
トランザクションを一度承認すると取り消しが非常に困難なため、資金が盗まれても被害回復が難しいのです。
この特性を逆手に取り、資金やNFTを奪われる被害が増加しています。
詐欺手口の種類と特徴
NFT詐欺の典型的な手口としては、次のようなパターンが確認されています。
- フィッシング詐欺:偽サイトや偽ウォレットで秘密鍵やパスフレーズを入力させ、資金を奪う
- マッチングアプリ詐欺:恋愛感情や信頼関係を装い、投資話を持ちかける「ロマンス投資詐欺」
- 偽プロジェクト:ホワイトペーパーやロードマップを捏造して投資を集め、逃亡(ラグプル)
- 有名人なりすまし:海外セレブなどの名義を騙り、偽物NFTを販売(インスタやSNSに多い)
- カード詐欺:クレジットカード情報を盗んで勝手にNFTを購入し転売する、あるいは不正決済を行う
詐欺師たちはあらゆるSNSやプラットフォームを駆使し、初心者の心理的な弱点につけ込んできます。
次章では、特に初心者がよく引っかかる手口をより具体的に見ていきましょう。
初心者が注意すべきNFT詐欺の手口とは?

NFT市場はまだ歴史が浅く、慣れていないユーザーが多いことから詐欺被害に遭いやすい傾向があります。ここでは「SNS」「マッチングアプリ」「偽販売サイト」の三つの代表的なケースを紹介します。
SNSやインスタでの偽アカウント詐欺
TwitterやInstagram、Discordなどで多い手口が「著名人なりすまし」や「高額報酬を謳う投資詐欺アカウント」です。
芸能人や人気インフルエンサーの名前をコピーしたアカウントからDMが届き、「今だけ限定でNFTを格安販売」「大手プロジェクトとのコラボ」などと宣伝することがあります。
実際には、誘導先のサイトがフィッシング目的だったり、送金を要求してNFTが届かないケースも多いです。
フォロワー数が不自然に少ない、公式マークがない、一文字だけアカウント名が違うなどの違和感を見逃さないようにしましょう。
マッチングアプリを悪用した恋愛型NFT投資詐欺
最近増えているのが、出会い系アプリやマッチングアプリで親密になった相手から「NFT投資でもうかるよ」と誘われ、専用サイトやウォレットに資金を入れさせるロマンス投資詐欺です。
英語圏では「Pig Butchering(豚殺し)」とも呼ばれ、大きな社会問題になっています。
手口としては、まず少額投資を誘われ、サイトの画面上では実際に利益が出ているように見せかけます。
その後「もっと利益を大きくしよう」と高額投資を促し、いざ出金を試みると「税金がかかる」「手数料が必要」などと理由をつけてさらに送金を要求してきます。
最終的には連絡が途切れてしまい、元本すら戻らないケースが後を絶ちません。
偽プロジェクトやNFT販売サイトに誘導されるパターン
NFTの新作オークションやセールを装い、偽サイトでウォレット接続を求めてきたり、個人情報を抜き取るパターンも典型的です。
公式サイトとそっくりのドメイン名でユーザーを騙し、購入手続きを進めさせて最終的にはNFTが届かず資金だけが盗まれます。
検索エンジン広告やインスタのストーリー広告などを使って集客するケースもあり、正規のURLかどうか必ず確認してからアクセスするのが重要です。
実際にあったNFT詐欺事件
ここでは、NFT詐欺による被害が大きく、かつ社会的にも報道された2つの事例を取り上げます。
いずれも典型的な手口ですが、被害者は数千万円から億単位の資金を失っており深刻です。
福島県で発生した被害総額1.8億円の事件
2025年5月、福島県に住む50代男性がSNSで知り合った相手から「NFT投資サイトがあり、短期間で大きな利益が出せる」と勧誘されました。
初めは数万円単位で投資し、サイト上の画面では利益が増えているように表示されていたため安心感を持ってしまいます。
そのうち「出金するには手数料と税金が必要」と言われ、男性は1回に数百万円から数千万円相当を暗号資産ウォレットで送金しました。
その合計額が気づけば約1億8000万円にも上り、最終的に相手と連絡が取れなくなりました。
福島の地元報道によると、被害に気づいた男性が警察に相談したものの、既に送金先ウォレットが海外取引所を経由していたため回収が極めて困難な状況に陥っています。
この事件は典型的なPig Butchering型の詐欺であり、SNS上で知り合った相手からの「楽して儲かる投資話」に対する警戒が呼びかけられました。
警察によると、特にNFTや暗号資産に関連した高額詐欺の相談件数は年々増えているそうです。
「西野」名義を使ったNFT詐欺事件
NFT市場が注目を集め始めた頃から、著名人の名前を勝手に利用するなりすまし詐欺も各所で問題化しています。
日本国内でも「西野」名義を使って偽のNFTを売りつける手口が確認されました。
公式アカウントのように装ったSNSやマーケットプレイス出品ページを作成し、「このNFTは西野さんの新作で限定100枚」「売上の一部はチャリティーに寄付」などのうたい文句でユーザーを誘導します。
実際には、購入しても何の連絡もなく、NFTも届かずに資金だけが抜き取られてしまいました。
西野さん本人はSNS上で「そのようなNFTを売り出した事実はない」と注意喚起し、公式情報は自身の公式アカウントか公式サイトで確認するよう呼びかけました。
有名人の名を騙った詐欺は信ぴょう性を高めやすいため、今後も被害が出る可能性があります。
CASIO(カシオ計算機株式会社)もWeb3領域で挑戦されている日本の企業様のうちの一社です。
Pacific Meta(パシフィックメタ)では、CASIO初のWeb3事業の戦略構築、海外プロジェクトとのコラボレーション・グローバル展開・コミュニティ運営など幅広く支援をしています。
下記の記事では、支援内容の詳細をCASIOのプロジェクトメンバーへのインタビューと共にご紹介しているのでぜひ、こちらもご覧ください。
⇒ CASIO社のWeb3事業のグローバル展開支援。戦略構築、コミュニティ運営を伴走しながら、海外大型プロジェクトとのコラボを実現
NFT詐欺に遭わないための対策方法
NFTの詐欺被害を防ぐには、普段からセキュリティ意識を高めることが肝心です。
以下では、事前の見分け方・予防策と、万が一被害に遭ったときの初動対応のポイントを解説します。
怪しいNFTプロジェクトの見分け方
プロジェクトが本物かどうかを見極める上で重要なのは、以下のチェックポイントです。
- 公式サイトやホワイトペーパーの質:明確なロードマップや技術解説があるか
- チームメンバー情報:開発者や運営元がどの程度公開されているか
- SNSやコミュニティでの評価:DiscordやTwitterなどで実際に信用できるやり取りがあるか
- 誇大広告や「絶対儲かる」などの文言:過度に利益を保証するような記述は要注意
正規のNFTマーケットプレイスで認証済みバッジがあるか、あるいは第三者が監査(Audit)したスマートコントラクトを使用しているかなども確認すると安心です。
日常的にできる詐欺予防の習慣
NFTに限らず、暗号資産関連では下記のような習慣が大事です。
- URLをむやみにクリックしない:DMやメールにあるリンクは公式サイトと照合してから開く
- ウォレット連携前の確認:どのコントラクトに接続するのか、権限を与えすぎていないかチェック
- 二段階認証の徹底:取引所やSNSアカウントは2FA設定で不正ログインを防止
- 日常的な情報収集:SNSやニュースで新手の詐欺事例をチェックし、常に最新の手口を知っておく
特に「無料配布」「期限限定」「高利回り」など甘い誘い文句が出たら、まず疑う姿勢を持つことが重要です。
詐欺サイトや偽リンクの見分け方
本物そっくりに作られたフィッシングサイトは一見判別が難しいですが、次の点をチェックしてください。
- ドメイン名が正式サイトと微妙に違う(例:.netではなく.xyzなど)
- SSL証明書に問題がある、または表示されるセキュリティ警告
- デザインは類似でも文言に誤字・脱字が多い
不審に思ったら、必ず公式サイトから再アクセスして確認しましょう。
NFT詐欺の被害に遭った場合の対応策
NFT詐欺の被害に気づいたときは、できるだけ早く以下のステップを踏んでください。
- 取引停止・証拠保全:ウォレットアクセスを停止し、やり取りしたメッセージや取引履歴をスクリーンショットなどで残す
- 警察への相談:サイバー犯罪専門窓口や最寄りの警察署に連絡し、被害届を提出する
- 関連機関への連絡:必要に応じて金融庁や消費生活センターにも報告
- 取引所・カード会社への連絡:不正送金を経由した取引所がわかれば凍結要請、カード不正使用の場合はカード会社に連絡
一度盗まれたNFTや仮想通貨はブロックチェーン上を転々とされるため、回収は容易ではありません。
しかし早期通報や法的手段を取ることで、犯人を特定できる場合もあります。
弁護士など専門家に相談するのも選択肢です。
詐欺にあわないための信頼できるNFTプロジェクトの見極め方とは?
NFTプロジェクトには多種多様なものがありますが、以下の観点でリサーチするだけで詐欺リスクを大幅に下げられます。
- プロジェクトの透明性:公式サイトにロードマップやホワイトペーパーがしっかり掲載されているか
- チームの実績:過去に成功したプロジェクトや公開された開発者情報があるか
- コミュニティ活動:DiscordやTwitterなどで活発に質問や議論が行われているか
- 監査・レビュー:スマートコントラクト監査(CertiKなど)の結果が公開されているか
信頼度の高いプロジェクトほど公的なコラボ情報やインフルエンサーの評価が明確に示されており、運営も透明性を重視しています。
「何となく雰囲気が怪しい」と感じたら、投資を控える勇気も大切です。
NFT詐欺の最新動向と今後の注意点
2025年以降は、以下のような新たな詐欺トレンドが予想されています。
- AI・ディープフェイクの活用:有名人そっくりの画像や音声を生成して被害者を騙す手口
- 大規模フィッシングネットワーク:検索エンジンの広告やSNS連動型の巧妙な誘導
- 投資型NFTの法規制強化:金融商品的なNFT(リターン保証など)への取り締まり可能性
詐欺集団は日々手口を進化させているため、ユーザー側も常に最新の情報をキャッチアップしながら慎重に行動する必要があります。
NFT詐欺に関するFAQ(よくある質問)
ここでは、NFT詐欺に関してよくある質問とその答えを紹介します。
Q1: NFT詐欺を見抜くには?
詐欺案件を見抜くには、まず「公式情報の有無」を確認することが大切です。
公式サイトやSNSで公開されているチーム情報、ホワイトペーパー、ロードマップなどの中身を読み込みましょう。
SNSコミュニティが活発に運営されているかも重要な指標です。
さらに「絶対に儲かる」「今だけ」という謳い文句には十分警戒してください。
Q2: NFT詐欺に遭ったらどこに相談する?
被害に気づいたら、まずは警察(都道府県のサイバー犯罪相談窓口)に相談してください。
次に、消費者ホットライン(188)や金融庁の相談窓口も活用しましょう。
弁護士に依頼する場合は、暗号資産やネット詐欺に強い専門家を探すことをおすすめします。
NFT関連コミュニティで情報共有することで、同様の被害が拡大するのを防ぐこともできます。
Q3: 詐欺に強いNFTマーケットプレイスは?
絶対に安全とは言い切れませんが、OpenSeaやRarible、Binance NFT、Coincheck NFTマーケットプレイスなど比較的大手のプラットフォームはセキュリティ対策や認証システムを導入しています。
たとえばOpenSeaでは、著名コレクションには青い認証バッジを付与し、偽物をある程度排除する仕組みがあります。
ただし、大手でもフィッシングサイトへの誘導など外部要因による詐欺リスクは残るため、利用者自身の警戒が欠かせません。
Q4: NFT詐欺は犯罪になるのか?
NFT詐欺は、刑法第246条が定める詐欺罪に該当する可能性があります。
被害者は警察に被害届を出したり、民事訴訟を起こしたりする権利があります。
ただしNFT詐欺の多くは海外の取引所やウォレットを経由するなど、犯人特定や実害回復が難しい事例も多いです。
専門家への相談が重要になります。
NFT詐欺まとめ|被害防止と信頼構築の第一歩
今回、Pacific Meta Magazineでは、NFT詐欺について以下の内容について紹介してきました。
- NFT詐欺の基本的な仕組みと背景、増加要因
- 初心者が注意すべき代表的な詐欺手口と具体例
- 福島1.8億円事件や有名人なりすまし事例などの実例
- 詐欺被害を防ぐための見分け方や日常的な予防策
- 被害時の対応策や公的相談先、信頼できるプロジェクト選びのコツ
NFTは今後も技術進化や市場拡大が進み、大きな可能性を秘めています。
しかし同時に、詐欺の手口はますます巧妙化し、不用意に近づくと多額の損失を被るリスクがあります。
だからこそ、今回解説したような安全策をしっかりと理解し、常に最新の情報をチェックすることが重要です。
NFTやWeb3を正しく活用すれば、資産形成やクリエイターとしての活躍にも大きなメリットがあります。
まずは怪しい話に安易に乗らない、公式URLを必ず確認する、ウォレットの秘密鍵は絶対に共有しないといった基本ルールを徹底してみてください。
詐欺のリスクをきちんと把握したうえでNFTを楽しみ、資産として育てていければ、あなたのWeb3体験はより安全で充実したものになるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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