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ブロックチェーン技術でカーボンクレジットはどう変わる?メリットや国内外の先行事例も紹介!

ブロックチェーン技術でカーボンクレジットはどう変わる?メリットや国内外の先行事例も紹介! 事業者向け

※本サイトは掲載するECサイト等での購入実績に基づいて一部報酬を受領しています。

脱炭素経営を進める中で、カーボンクレジットの活用は不可欠です。
しかし、その市場の不透明性や取引の煩雑さにお悩みではないでしょうか。

従来のカーボンクレジット市場には、二重計上のリスクや信頼性の課題がありました。
そのため、導入に踏み切れない企業も少なくありませんでした。

しかし、ブロックチェーン技術がこの状況を大きく変えようとしています

今回、Pacific Meta Magazineでは、カーボンクレジットがブロックチェーンにもたらす可能性について以下の内容を紹介しています。

  • カーボンクレジットとブロックチェーンの基本的な仕組み
  • ブロックチェーン導入がもたらす透明性・効率性向上のメリット
  • 国内外におけるカーボンクレジットのトークン化とNFT活用事例
  • 最新の国内実証実験(KlimaDAO JAPAN MARKET、東京都カーボンクレジットマーケットなど)の動向
  • ブロックチェーン技術によるカーボンクレジット市場の信頼性向上と将来展望

ぜひ、最後までご覧ください。

  1. カーボンクレジットとブロックチェーンの基本概念とは?
    1. カーボンクレジットとは?
    2. ブロックチェーン技術とは?
  2. ブロックチェーンがカーボンクレジット市場にもたらすメリット
    1. 透明性の向上
    2. 取引プロセスの効率化
    3. 信頼性の担保
  3. ブロックチェーン技術がカーボンクレジット市場に与える影響とは?
    1. データの可視化と監査性
    2. 信用担保メカニズム
  4. カーボンクレジットのトークン化事例
    1. Klima DAO
    2. Northern Trust × 香港金融管理局(HKMA)「Project Ensemble」
    3. Redbelly Network × CarbonHood & Blubird
    4. Toucan Protocol
    5. Flowcarbon × ALLCOT
    6. Net Zero Company
  5. 国内外のカーボンクレジット市場におけるブロックチェーン技術の最新動向
    1. 国内の最新動向
    2. 海外の最新動向
    3. マーケットプレイスの進化
  6. カーボンクレジットとブロックチェーンに関する法規制とその対応策とは?
    1. 国内法規制の概要
    2. 国際規制と基準
    3. 企業対応のベストプラクティス
  7. ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジット取引の実証実験
    1. 実証実験事例①: 東京都カーボンクレジットマーケット
    2. 実証実験事例②: 大手企業×Web3コンソーシアム
  8. カーボンクレジット市場におけるブロックチェーン技術の今後は?
    1. 技術ロードマップと開発トレンド
    2. 期待される新機能とサービスモデル
  9. カーボンクレジットへのブロックチェーンの活用についてよくある質問
    1. Q1: カーボンクレジットのトークン化とは?
    2. Q2: ブロックチェーン導入のメリットは?
    3. Q3: 主要法規制への対応方法は?
    4. Q4: 実証実験での課題は?
    5. Q5: 将来の市場動向は?
  10. カーボンクレジットがブロックチェーンにもたらす可能性についてまとめ

Pacific Meta(パシフィックメタ)は、「Web3領域」で挑戦されている国内外の企業様を、事業戦略立案から事業成長までを一気通貫で支援している"Web3アクセラレーター"です。

Web3・ブロックチェーン事業のパートナー選びにお困りであれば、下記の資料をご覧ください。

カーボンクレジットとブロックチェーンの基本概念とは?

カーボンクレジットとブロックチェーンは、それぞれ独立した概念です。
しかし、組み合わせることでカーボン市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

まずはそれぞれの基本を理解しましょう。

カーボンクレジットとは?

カーボンクレジットとは?

カーボンクレジットとは、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を認証し、取引可能な形にしたものです。

企業が森林保護プロジェクトや再生可能エネルギー導入などを通じてCO2排出量を削減、または吸収した量を「クレジット」として発行します。

他の企業がそれを購入することで自社の排出量を相殺(カーボンオフセット)できます。
これは、カーボンプライシングの一環です。企業が排出する炭素に価格を付け、経済的インセンティブを通じて排出削減を促す仕組みです。

カーボンクレジットの取引実績は、企業のサステナビリティ・レポートや環境報告書における重要な情報となります

市場には、国や地域が定める規制に基づく市場(コンプライアンス市場)と、企業が自主的に取り組むボランタリーカーボン市場(VCM)が存在します。

近年、企業のネットゼロ目標達成のためにボランタリー市場の重要性が増しています。
しかし、クレジットの品質や透明性に関する課題も指摘されています。

ブロックチェーン技術とは?

ブロックチェーン技術とは?

ブロックチェーン技術は、「分散型台帳技術(DLT)」とも呼ばれます。
取引記録などのデータを「ブロック」という単位で生成し、それらを時系列に「チェーン」のように連結して記録・管理する技術です。

この記録は多数のコンピューターに分散して保存されるため、改ざんが極めて困難です。
そして、高い透明性とセキュリティを実現します。

主な構成要素として、プログラムされた条件に基づいて契約を自動的に実行する「スマートコントラクト」があります。

また、資産や権利をデジタルデータとしてブロックチェーン上で表現する「トークン化」があります。
トークン化されたカーボンクレジットは、NFT(非代替性トークン)やFT(代替性トークン)の形で取引されることがあります

これらの技術は、カーボンクレジットの取引プロセスを効率化し、信頼性を高める上で重要な役割を果たします。

カーボンクレジットの分野では、このブロックチェーン技術を活用することが考えられています。
発行から取引、償却(リタイア)までのライフサイクル全体を透明かつ効率的に管理しようとする動きが活発化しています。

これが「ブロックチェーンをカーボンクレジットに活用」する際の基本的な考え方です。

ブロックチェーンがカーボンクレジット市場にもたらすメリット

ブロックチェーン技術をカーボンクレジット市場に導入することは、多くのメリットをもたらします。そして、市場の健全な発展を促進すると期待されています。
主なメリットは以下の通りです。

  • 透明性の向上による二重計上(ダブルカウンティング)の防止
  • 取引プロセスの効率化とコスト削減
  • 信頼性の担保とグリーンウォッシュ対策
  • 市場アクセス性の向上と流動性の拡大

これらのメリットについて、以下で詳しく解説します。

透明性の向上

ブロックチェーン上にカーボンクレジットの発行、移転、償却といった全てのトランザクション履歴を記録します。

これにより、誰でもその情報を追跡・検証できるようになります。
データは暗号技術によって保護されます。
一度記録されると改ざんが極めて困難なため、不正な二重計上やデータの不正操作を防ぐ効果が期待できます

これにより、カーボンクレジットのライフサイクル全体が可視化され、市場参加者は取引の正当性を容易に確認できるようになります。

取引プロセスの効率化

スマートコントラクトを活用することで、カーボンクレジットの売買契約や所有権移転、さらには償却処理などを自動的に実行できます。

これにより、従来は人手を介して行われていた複雑な手続きや書類作業が大幅に削減されます。
そして、取引にかかる時間とコストを圧縮できます

特に、国際的な取引や多数のステークホルダーが関与する場合において、この効率化は大きなメリットとなります。

信頼性の担保

ブロックチェーン上で管理されるカーボンクレジットは、その発行元、プロジェクト情報、認証状況などが明確に記録されます。

そのため、信頼性が向上します。
改ざん困難な記録は、クレジットの品質や環境貢献度に対する信頼を裏付けます
そして、いわゆるグリーンウォッシュ(環境配慮を装う見せかけの行為)のリスクを低減します。

また、監査プロセスにおいても、ブロックチェーン上の記録を参照することで、第三者機関による検証作業が簡略化されます。より効率的かつ正確な監査が可能になります。

ブロックチェーン技術がカーボンクレジット市場に与える影響とは?

ブロックチェーン技術は、カーボンクレジット市場が長年抱えてきた透明性と信頼性の課題を解決する強力なツールとなり得ます。

その鍵となるのは、データの可視化、監査の容易性、そして改ざん不可能な記録の提供です

データの可視化と監査性

ブロックチェーン上にカーボンクレジットの発行元、プロジェクトの種類、削減・吸収量、認証機関、取引履歴、償却情報などを記録します。これにより、これらのデータが関係者(場合によっては一般にも)に公開されます。

多くのブロックチェーンエクスプローラー(取引履歴閲覧ツール)を使えば、誰でも特定のトークンやアドレスに関連する情報を追跡・確認できます。これにより、カーボンクレジットのライフサイクル全体が「見える化」されます。

監査においては、従来のように複数の台帳や書類を突き合わせる必要がなくなり、ブロックチェーン上の記録を直接参照することで、より迅速かつ効率的に検証作業を進めることができます。スマートコントラクトに監査ロジックを組み込むことで、リアルタイムでのコンプライアンスチェックも可能になります。

信用担保メカニズム

カーボンクレジットのトークン化においては、そのトークンが実際の環境価値(CO2削減・吸収量)を確かに代表していることを保証する仕組みが重要です。一つの方法は、信頼できる第三者機関(カストディアンなど)が現実のカーボンクレジットを保管・管理します。

そして、それと同量のトークンを発行するモデルです(トークン担保)。また、Verraなどが進めているように、既存のクレジット登録簿内でクレジットを「ロック」または「イモビライズ(固定化)」し、それをトークン発行の裏付けとする方法もあります。

スマートコントラクトのコード自体も、セキュリティ専門企業による監査を受けることで、そのロジックの正当性や脆弱性のなさが検証されます。これにより、信頼性が高まります

将来的には、トークン化されたカーボンクレジットの品質や信頼性を評価するための標準化された指標やラベリング制度(例:ICVCMのCCPラベル)がブロックチェーン上でも参照可能になることが期待されます

カーボンクレジットのトークン化事例

カーボンクレジットのトークン化は、ブロックチェーン技術を活用したカーボン市場革新の中核をなす動きです。

トークン化とは、カーボンクレジットをブロックチェーン上で扱えるデジタル資産(トークン)に変換することを指します。

これにより、クレジットはNFT(非代替性トークン)やFT(代替性トークン)として表現されます。より効率的かつ透明性の高い取引が可能になります。

カーボンクレジット NFTは、各クレジット固有の情報を保持できるため、トレーサビリティ向上に貢献します

一方、カーボンクレジットトークン(FT)は、同質のクレジットをプールして流動性を高めるのに役立ちます。

このトークン化により、カーボンクレジットは仮想通貨のようにグローバルなマーケットプレイスで24時間取引可能となります。新たな投資家層の参入や市場の活性化が期待されます。

以下に、国内外の代表的なカーボンクレジットのトークン化の活用事例を紹介します。

Klima DAO

Klima DAOは、カーボンクレジット市場の流動性と透明性を高めることを目的とした分散型自律組織(DAO)です。

主にボランタリーカーボン市場のクレジットをトークン化し、独自のトークン「KLIMA」を発行しています。

Toucan Protocolなどを利用して現実世界のカーボンクレジットをブロックチェーン上にブリッジします。

そして、「Base Carbon Tonne (BCT)」のようなプール化されたカーボントークンを生成します。
これを裏付け資産としてKLIMAトークンを発行し、市場からカーボンクレジットを吸収します。

これにより価格上昇を促し、結果的にカーボンオフセットプロジェクトへの資金流入を増やすことを目指しています。

2021年のローンチ直後には、数週間で1000万トンを超えるカーボンクレジットをオンチェーン化し、大きな注目を集めました。

この動きは、カーボンクレジットの新たな需要を創出し、市場に大きな影響を与えました
しかし、急速な拡大の中で、質の低いクレジットも取り込まれたとの批判がありました。また、主要な認証機関であるVerraが一方的なトークン化を問題視するなどの課題も浮き彫りになりました。

現在は、より持続可能で信頼性の高いモデルへと進化を目指しています。
KlimaDAO JAPAN MARKETのような地域ごとの実証実験にも取り組んでいます。

Northern Trust × 香港金融管理局(HKMA)「Project Ensemble」

Northern Trustは、香港金融管理局(HKMA)が主導するホールセール型中央銀行デジタル通貨(wCBDC)プロジェクト「Project Ensemble」に参画しています。

このプロジェクトは、トークン化された預金や資産の決済効率化を目指すものです。
その一環としてトークン化されたグリーンボンドの実験が行われています。

グリーンボンドは、再生可能エネルギープロジェクトなど環境改善効果のある事業への資金調達に使われる債券であり、カーボンクレジット市場とも関連が深いです

Project Ensembleでは、ブロックチェーン技術を用いてグリーンボンドの発行から取引、利払い、償還までのプロセスを効率化し、透明性を高めることを検証しています。

カーボンクレジットも同様にトークン化することで、新たな金融商品の開発が期待されます。
例えば、グリーンボンドの投資家がポートフォリオの一部としてカーボンオフセットを組み込んだり、発行体が排出削減プロジェクトの成果をより直接的に投資家に還元したりするようなことです。

NFTを活用すれば、各ボンドやクレジットに紐づくプロジェクトの詳細情報や環境インパクトを追跡可能にし、投資家への情報開示を強化できる可能性があります。

今後の展開として、実用化に向けたインフラ整備や、より広範なトークン化資産との連携が模索されています。

Redbelly Network × CarbonHood & Blubird

出展:https://redbelly.network/blog/carbonhood-redbelly-blubird-tokenize-70b-usd-carbon-credits

Redbelly Networkは、高いセキュリティとスケーラビリティを持つとされるブロックチェーンプラットフォームです。

このRedbelly Networkが、カーボンクレジットのマーケットプレイスを運営するCarbonHood、およびサステナビリティ関連のコンサルティングを提供するBlubirdと提携しました。

信頼性の高いカーボンクレジット取引プラットフォームの構築を進めている事例が報告されています(具体的な提携時期や成果については変動する可能性があります)。

この連携の目的は、Redbelly Networkのブロックチェーン技術を基盤として、CarbonHoodが提供するカーボンクレジット マーケットプレイスの透明性と効率性を向上させることです。

Blubirdは、プロジェクトの検証やデューデリジェンス、環境価値評価などで専門知識を提供します。
そして、クレジットの品質担保に貢献すると考えられます。NFT技術を活用することで、各カーボンクレジットの由来、プロジェクトの詳細、認証情報などを固有のトークンに記録し、改ざん不可能な形で追跡可能にすることが期待されます。

これにより、投資家や購入者はクレジットの信頼性を容易に確認でき、グリーンウォッシュのリスクを低減できます。

今後の展開としては、プラットフォームの本格稼働と、より多くの高品質なカーボンプロジェクトの取り込み、企業ユーザーへの普及が焦点となるでしょう。

Toucan Protocol

出展:https://blog.toucan.earth/making-sense-of-the-toucan-protocol/

Toucan Protocolは、ボランタリーカーボン市場に存在するカーボンクレジットをブロックチェーン上に「ブリッジ」し、トークン化するためのインフラを提供するプロジェクトです。

具体的には、Verraなどの認証機関によって発行されたカーボンクレジットを、ブロックチェーン上で取引可能な「TCO2トークン」に変換します。

このプロセスでは、元のクレジットを特定の口座にリタイア(償却)またはロックします。それと同量のTCO2トークンを発行することで二重計上を防ぎます

Toucanは、異なるプロジェクトやヴィンテージ(発行年)のTCO2トークンを特定の基準でプール化します。そして、より流動性の高い「Base Carbon Tonne (BCT)」や「Nature Carbon Tonne (NCT)」といった参照トークンを生成する機能も提供しています。

これにより、個別のクレジットの取引よりも市場が深まり、価格発見が容易になります。Klima DAOも初期にはこのToucanの仕組みを大いに活用しました。

NFTの活用という点では、個々のTCO2トークンが元のクレジットのシリアル番号やプロジェクト情報への参照を保持することで、透明性とトレーサビリティを確保しています。

今後の課題としては、Verraなどの主要認証機関との連携強化や、トークン化プロセスの標準化、市場の信頼性向上などが挙げられます。

Flowcarbon × ALLCOT

出展:https://www.flowcarbon.com/knowcarbon/flowcarbon-will-partner-with-allcot

Flowcarbonは、カーボンクレジットをオンチェーン(ブロックチェーン上)で利用可能にすることを目指す企業です。

元WeWorkのCEOであるアダム・ニューマン氏が共同創業者の一人として関わっていることでも知られています。

Flowcarbonは、カーボンクレジットをトークン化し、DeFi(分散型金融)プロトコルを通じて取引や利用を促進することを目指しています。特に、企業がカーボンオフセットをより簡単かつ透明に行えるようにするためのツールやサービス開発に注力しています

ALLCOTは、カーボンプロジェクトの開発、カーボンフットプリントの算定、サステナビリティ戦略のコンサルティングなどを手掛ける企業です。

FlowcarbonとALLCOTのようなプロジェクト開発者との提携は、高品質なカーボンクレジットを安定的にFlowcarbonのプラットフォームへ供給し、トークン化するための重要なステップです。

ALLCOTが開発・認証したクレジットをFlowcarbonがトークン化することで、そのクレジットはブロックチェーン上で透明に追跡可能となり、流動性も向上します。

NFTとして発行された場合、各クレジットのユニークな属性(プロジェクトの種類、場所、貢献するSDGsなど)を保持できます。

購入者はより詳細な情報を得て選択できます。今後の展開としては、より多くのプロジェクト開発者との連携、DeFiプロトコルとの統合深化、そして企業や個人ユーザーへの普及が期待されます。

Net Zero Company

出展:https://netzerocompany.org/

スウェーデンのスタートアップ「Net Zero Company」は、ブロックチェーン技術を活用して高品質なカーボンリムーバル(CDR)をトークン化し、企業や個人が信頼性の高いカーボンオフセットを行えるプラットフォームを提供しています。

Net Zero Companyは、実際に大気中から除去されたCO₂を裏付けとする「Carbon Removal Token(CRT)」を開発・提供しています。

このトークンは、Ethereumブロックチェーン上で発行しています。
Net Zero Companyは、2030年までに30億トンのカーボンリムーバルが必要とされるという予測に対応するため、以下の目標を掲げています。

  • グローバル展開:資金調達を活用し、世界各地での事業拡大を目指します。
  • 新製品の導入:CRTを含む新しい製品群を市場に投入し、カーボンリムーバルのアクセシビリティを向上させます。
  • 透明性と信頼性の強化:ブロックチェーン技術を活用し、カーボンクレジット市場の透明性と信頼性を高めます。

これらの取り組みにより、Net Zero Companyはカーボンクレジット市場の変革を目指し、気候変動対策における新たなソリューションを提供しています。

国内外のカーボンクレジット市場におけるブロックチェーン技術の最新動向

カーボンクレジット市場におけるブロックチェーン技術の活用は、世界的に急速な進展を見せています。

特にカーボンクレジット マーケットプレイスの進化は目覚ましく、取引の透明性、効率性、アクセスの向上に貢献しています

ここでは、国内外の最新動向を概観します。

国内の最新動向

日本国内では、政府や自治体、民間企業が連携しています。ブロックチェーンを活用したカーボンクレジット取引の基盤整備と実証実験が進んでいます。

代表的な動きとして、東京都が2025年3月にローンチした「東京都カーボンクレジットマーケット」が挙げられます。

この市場では、J-クレジットや海外のボランタリークレジットがNFT化され、ブロックチェーン上で取引されています。Ginco社などが技術支援を行い、中小企業でも容易にクレジット取引に参加できる環境を提供しています。

また、経済産業省主導で「KlimaDAO JAPAN MARKET」と題したJ-クレジットのトークン化実証実験が2024年度に実施されました。J-POWERやみずほフィナンシャルグループなどが参加しました。

この実験では、パブリックブロックチェーン上でのJ-クレジット取引の技術的・法制度的課題が検証されました。そして、良好な結果が得られたと報告されています。

これらの動きは、国内におけるカーボンオフセットへのブロックチェーン活用の本格化に向けた重要なステップと言えるでしょう。

海外の最新動向

海外では、2021年頃からKlimaDAOやToucan Protocolといったプロジェクトがボランタリーカーボン市場のオンチェーン化を牽引しました。

一時的に数千万トン規模のカーボンクレジットがトークン化されました。
その後、市場の健全性確保のためVerraなどの主要認証機関がルールを整備する動きもありました。
しかし、デジタルカーボン市場への関心は依然として高いです

世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は、Chia Networkなどと連携しています。
カーボン・オポチュニティ基金」を立ち上げ、高品質なカーボンクレジットをトークン化して供給しています。

また、シンガポールのAirCarbon Exchange (ACX)や米国のXpansiv (CBL)といった既存のカーボン取引所も、デジタルトークン形式での取引を導入・拡大しています。

これらのプラットフォームでは、年間数百万トンから数千万トン規模のカーボンクレジットが取引されており、市場の流動性向上に貢献しています。

ロンドン証券取引所グループやNASDAQといった伝統的な金融市場インフラも、ブロックチェーンを活用したカーボン市場ソリューションの開発を進めています。

マーケットプレイスの進化

カーボンクレジットのWeb3/NFTマーケットプレイスは、従来の取引所に比べていくつかの特徴的な機能を提供しています。

まず、NFT技術により、各クレジットの由来、プロジェクト情報、認証ステータスなどが透明かつ改ざん不可能な形で記録・公開されます。

これにより、購入者はクレジットの品質を容易に確認でき、グリーンウォッシュのリスクが低減します。

また、スマートコントラクトによる取引の自動化、小口化されたクレジットの容易な売買、グローバルなアクセス性などが挙げられます。トレンドとしては、DeFi(分散型金融)との連携による流動性供給メカニズムの導入があります。

また、個人の参加を促すためのユーザーフレンドリーなインターフェース開発、さらには複数のブロックチェーン間での相互運用性を高める動きなどが見られます。

Pacific Meta(パシフィックメタ)では、Web3やブロックチェーンを活用した事業の構想・戦略策定を伴走支援しています。

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カーボンクレジットとブロックチェーンに関する法規制とその対応策とは?

カーボンクレジットをブロックチェーン上でトークンとして取引する際には、既存の法規制や新たなガイドラインへの対応が不可欠です。

これらは国や地域、そして対象とするカーボンクレジットの種類によって異なります。

企業がこの分野で活動する際には、法務・コンプライアンス体制の構築が重要となります

国内法規制の概要

日本国内における主要なカーボンクレジット制度としては、「J-Credit Scheme(J-クレジット制度)」があります。J-クレジットは、省エネルギー設備の導入や森林管理などによる温室効果ガスの排出削減・吸収量を国が認証するものです。

J-クレジットの取引や無効化は、現在、専用の登録簿システムを通じて行われています。ブロックチェーン上でJ-クレジットを扱う場合、この登録簿システムとの連携や、現行のJ-クレジット制度のルールとの整合性を確保する必要があります。

2024年度の「KlimaDAO JAPAN MARKET」実証実験では、こうした法的な論点整理も行われました。

また、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づく排出量報告制度など、関連する環境法規との関係も考慮する必要があります。

カーボンクレジット トークンが金融商品取引法上の「有価証券」や「暗号資産」に該当するかどうかについても、その設計や販売方法によって解釈が分かれる可能性があります

そのため、専門家への確認が推奨されます。

国際規制と基準

国際的なカーボンクレジット市場、特にボランタリー市場においては、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のパリ協定第6条に基づく市場メカニズムのルール形成が進んでいます。

また、ボランタリーカーボン市場の信頼性向上を目指す国際的なイニシアティブとして、「ボランタリーカーボン市場のための Integrity Council (ICVCM)」があります。

これが「コア・カーボン・プリンシプル(CCPs)」という品質基準を策定しています。ブロックチェーン上で取引されるカーボンクレジットも、こうした国際的な基準や原則に準拠することが求められます

主要な国際認証機関であるVerraやGold Standardなども、自らが認証するクレジットのトークン化に関するポリシーを更新しています。無許可でのトークン化を制限し、透明性確保のための要件を設ける動きがあります。

企業対応のベストプラクティス

企業がカーボンクレジットのブロックチェーン活用を進めるにあたっては、まず関連法規や業界ガイドラインを十分に調査し、理解することが重要です。その上で、法務部門や専門家と連携し、コンプライアンス体制を構築する必要があります。

具体的には、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)の実施、KYC(顧客確認)プロセスの導入、適切な情報開示、そして発行されるトークンの法的性質の明確化などが挙げられます。

ガバナンス体制を強化し、透明性の高い運用を心がけることが、規制当局や市場からの信頼を得るために不可欠です

ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジット取引の実証実験

日本国内でも、カーボンクレジット取引におけるブロックチェーン技術の有効性や課題を検証するための実証実験が活発に行われています。これらの実験は、将来的な本格導入に向けた貴重な知見を提供しています

実証実験事例①: 東京都カーボンクレジットマーケット

出展:https://carbon-market.metro.tokyo.lg.jp/

東京都は、2030年のカーボンハーフ目標達成に向け、2025年3月に「東京都カーボンクレジットマーケット」を本格稼働させました。このマーケットプレイスでは、J-クレジットや海外のボランタリークレジットなどがNFT(非代替性トークン)としてブロックチェーン上で取引されます。

先行する実証実験や準備期間を通じて、システムの操作性、取引の安全性、NFTによる透明性向上効果などが検証されました。例えば、ブロックチェーンを活用することで、従来数日かかっていたクレジットの移転手続きが数分で完了するケースも報告されています。

成功要因としては、中小企業でも利用しやすいUI/UXの設計、信頼できる技術パートナー(Ginco社など)との連携、そして都が主導することによる信頼性の担保が挙げられます

具体的な取引量や参加企業数の目標も設定され、着実に実績を積み上げています。

実証実験事例②: 大手企業×Web3コンソーシアム

国内の大手企業や金融機関、IT企業などが参加するWeb3コンソーシアムにおいても、カーボンクレジットのトークン化と取引に関する実証実験が進められています。

例えば、JPYC株式会社などが参加するコンソーシアムでは、日本円ステーブルコインとカーボンクレジットトークンを組み合わせた決済・取引の効率化を目指す実証が2024年に開始されました。

成果としては、取引コストの削減ポテンシャルや、新たな市場参加者の誘引効果などが確認されつつあります。今後の展望としては、これらの実証結果を踏まえ、よりオープンで大規模なカーボンクレジット web3エコシステムの構築が期待されます

これらの実証実験から得られた技術的知見としては、適切なブロックチェーン基盤の選定(スケーラビリティ、ガス代、環境負荷)があります。

また、スマートコントラクトの設計・監査の重要性、オフチェーンデータとオンチェーンデータの信頼性の高い連携方法(オラクルの活用)などが挙げられます。

カーボンクレジット市場におけるブロックチェーン技術の今後は?

ブロックチェーン技術は、カーボンクレジット市場の未来を大きく変える可能性を秘めています。技術の進化とともに、新たなサービスや市場構造が生まれ、より効率的で信頼性の高い脱炭素化の取り組みが加速するでしょう

技術ロードマップと開発トレンド

ブロックチェーン技術自体の進化が、カーボンクレジット市場への応用に大きな影響を与えます。
スケーラビリティ問題については、レイヤー2ソリューション(例:Polygon, Arbitrum)の普及により、取引処理速度の向上と手数料の低減が進んでいます。

これにより、大量のカーボンクレジット取引も低コストで処理可能になります。
異なるブロックチェーン間の相互運用性(インターオペラビリティ)も重要な開発トレンドです

これにより、断片化されたカーボンクレジット市場が連携しやすくなります。

また、ゼロ知識証明などのプライバシー保護技術の発展は、企業の機密情報を保護しつつ、取引の透明性を確保するという両立を可能にすると期待されています

期待される新機能とサービスモデル

カーボンクレジットNFTは、単なる所有証明だけでなく、プロジェクトのストーリーや環境・社会への貢献度といった付加価値情報を埋め込むことで、より多様なニーズに対応できるようになります。

DeFi(分散型金融)との連携は、カーボンクレジットを担保としたレンディングや、流動性マイニングといった新たな金融サービスを生み出し、市場の活性化に貢献するでしょう

トークン化されたカーボンクレジットの活発な二次市場が形成されることで、価格発見機能が向上します。企業や投資家はより柔軟にカーボンポートフォリオを管理できるようになります。

また、個人でも少額からカーボンオフセットに参加できるようなマイクロペイメントサービスや、カーボンプライシング ブロックチェーンを活用した自動オフセット機能なども登場する可能性があります。

投資家視点では、ブロックチェーンによる透明性と信頼性の向上は、カーボンクレジットを新たなアセットクラスとして確立する上で不可欠です。

これにより、ESG投資の対象としてカーボンクレジット市場への資金流入が加速し、市場全体の成長を後押しするシナリオが考えられます。

高品質なプロジェクトへの資金循環が促進されることで、実質的な気候変動対策への貢献も期待されます。

カーボンクレジットへのブロックチェーンの活用についてよくある質問

ここでは、カーボンクレジットへのブロックチェーンの活用についてよくある質問とその答えを紹介していきます。

Q1: カーボンクレジットのトークン化とは?

A1: カーボンクレジットのトークン化とは、温室効果ガスの排出削減・吸収量を証するカーボンクレジットを、ブロックチェーン上で取引可能なデジタル資産(トークン)に変換することです。

これにより、取引の透明性や効率性が向上し、NFT(非代替性トークン)として固有の情報を付加することも可能です

Q2: ブロックチェーン導入のメリットは?

A2: 主なメリットは、取引履歴の透明性向上、改ざん防止による信頼性向上、スマートコントラクトによる取引プロセスの自動化・効率化、そして仲介コストの削減です。

また、トークン化により小口取引が可能となり、市場へのアクセス性が向上し流動性が高まることも期待されます。

Q3: 主要法規制への対応方法は?

A3: 国内ではJ-クレジット制度や金融商品取引法などがあります。国際的にはUNFCCCのルールやICVCMの品質基準、各認証機関のポリシーなどを遵守する必要があります。

トークンの法的性質の確認、AML/CFT対策、適切な情報開示など、専門家と連携したコンプライアンス体制の構築が重要です。

Q4: 実証実験での課題は?

A4: 技術的な課題としては、スケーラビリティ、異なるシステム間の相互運用性、オフチェーンデータとの確実な連携などが挙げられます。

また、運用面では、ユーザーインターフェースの使いやすさ、既存制度との整合性確保、そして関係者間の合意形成などが課題となることがあります。

Q5: 将来の市場動向は?

A5: ボランタリーカーボン市場を中心に、ブロックチェーンを活用したカーボンクレジット市場は拡大すると予測されています。技術革新により、より透明で効率的な取引が実現します。

DeFiとの連携や個人向けサービスなど新たなユースケースが登場するでしょう。市場の信頼性が高まることで、ESG投資の対象としても注目されます。

そして、気候変動対策への資金循環が促進されると期待されます。

カーボンクレジットがブロックチェーンにもたらす可能性についてまとめ

今回、Pacific Meta Magazineでは、カーボンクレジットがブロックチェーンにもたらす可能性について以下の内容を紹介してきました。

  • カーボンクレジットとブロックチェーンの基礎知識、そして両者を組み合わせる意義。
  • ブロックチェーン導入がカーボンクレジット市場にもたらす透明性、効率性、信頼性向上の具体的なメリット。
  • Klima DAO、Toucan Protocol、東京都カーボンクレジットマーケットといった国内外の先進的な活用事例と、そこから見える可能性と課題。
  • 国内外の最新市場動向、関連する法規制と企業が取るべき対応策。
  • ブロックチェーン技術が実現する透明性と信頼性の具体的な仕組み、そして将来の技術発展と市場の成長展望。

カーボンクレジット市場は、脱炭素社会の実現に向けた重要なメカニズムです。しかし、従来の仕組みには透明性や効率性の面で課題がありました。
ブロックチェーン技術は、これらの課題を解決し、市場の信頼性を飛躍的に高める可能性を秘めています

カーボンクレジットのトークン化やNFT化は、取引のあり方を根本から変えます。より多くの企業や個人が気候変動対策に参加できる道を開きます。
国内外での実証実験や新たなマーケットプレイスの登場は、その動きが加速していることを示しています。

貴社におかれましても、本記事で得られた情報を元に、カーボンクレジットへのブロックチェーン技術の導入を検討してはいかがでしょうか。持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

今後の技術動向や規制の最新情報にも注目しつつ、専門家のアドバイスも活用しながら、自社に最適な活用方法を見つけていただくことをお勧めします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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