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eコマースの未来を支えるステーブルコイン決済:Coinbase Paymentsがひらく、USDC決済の「新しいスタンダード」とは

事業者向け

Web上のコマースはここ数年で大きく変化しつつあります。その中心にあるのが、ドル建てステーブルコインをはじめとするオンチェーン決済です。

本記事で紹介する「Coinbase Payments」は、こうした変化を背景に、PSP(決済サービスプロバイダー)やマーケットプレイスなどのコマースプラットフォーム向けに設計された、ステーブルコイン決済スタックです。Coinbase PaymentsはBaseチェーン上で動作し、すでに米国のShopifyで本番稼働しているインフラを、外部のプラットフォームにも開放する取り組みといえます。

この記事では、このCoinbase Paymentsを中心に取り上げて、主に次の点を整理して解説します。

  • なぜステーブルコイン決済がこれほど注目されているのか?
  • Coinbase Paymentsとはどんな仕組み?
  • eコマースにおいてどのように活用されているのか?
  • ステーブルコイン決済は、PSPやコマースインフラ企業にとってどんな意味があるのか?

Coinbase Paymentsとは何か

Coinbase Paymentsは、コマースプラットフォーム向けに設計された、フルスタック型ステーブルコイン決済ソリューションです。USDCによる即時・24時間365日のグローバル決済を、安全かつシンプルに提供することを目的としています。主な特徴は次の通りです。

  • ステーブルコイン決済スタックとして、決済フロー全体をカバー
  • Baseチェーン上に構築され、オンチェーンのスケーラビリティと低コストを活用
  • すでにShopifyで本番導入され、数百万の加盟店にUSDC決済を提供
  • PSP、マーケットプレイス、コマースインフラ企業が、自社で一から暗号資産チームを抱えなくてもステーブルコイン決済を提供できる構造

ブロックチェーンの複雑さをアプリケーション側から隠蔽しながら、「暗号資産ネイティブな決済体験」を最短で組み込めるようにすることがコンセプト。ブロックチェーン技術を日常生活に浸透させるうえで欠かせないポイントをコンセプトに据えています。

ステーブルコインが変える商取引のスタンダード

ステーブルコインは、世界の商取引のあり方を急速に変えつつあります。ステーブルコインによる決済処理額は、2024年だけでおよそ30兆ドルに到達し、前年比で3倍の成長を記録しています。「より速く、低コストで、グローバルに価値を移動できる手段」として採用が拡大し、特に米国では、企業による動きも具体化しています。

  • Fortune 500(全米の総収入上位500社)にランクインしている企業の半数以上がオンチェーン開発を進めている
  • 米国の中小企業の3分の1がすでに暗号資産を活用している

こうした動きは今後日本においても加速していくとみられています。一方で、多くのプラットフォームは、ステーブルコイン決済をまだ十分に取り入れられていません。背景としては次のようなポイントが挙げられます。

  • 機能が分断されたツール群
  • ブロックチェーンに関する高い技術的ハードル
  • 本番環境レベルのインフラ不足

Coinbase Payments は、こうした「導入したくてもできない」障壁をまとめて解消することを目指したソリューションとして、日本においてもその動向が注視されています。

Coinbase Paymentsのスタック構成

Coinbase Paymentsは、既存のコマースシステムに統合しやすいモジュール型スタックとして設計されており、大きく以下の3レイヤーで構成されています。

1. Stablecoin Checkout(コンシューマー向けレイヤー)

Stablecoin Checkoutは、エンドユーザーが利用するチェックアウト体験を担うレイヤーです。

  • USDC決済に特化した、ウォレットネイティブなチェックアウトフロー
  • 対応ウォレットは、Coinbase WalletやMetaMask、Phantomなどを含む数百種類以上
  • ガスレス(ユーザーがトランザクション手数料を意識せずに取引できる形)で、コンバージョン率の最適化を重視したUXを提供

ユーザーにとっては「いつも使っているウォレットで、素早く・わかりやすく支払える体験」であり、加盟店側にとっては、ウォレットやチェーンごとの違いを意識せずにステーブルコイン決済を受け取れる点が特徴です。

2. Ecommerce Engine(加盟店・PSP向けレイヤー)

Ecommerce Engine は、PSP やコマースプラットフォーム向けの APIレイヤーです。ここでいう PSP(Payment Service Provider)は、複数の決済手段をまとめて加盟店に提供する決済サービス事業者を指します。

このレイヤーでは、以下のような機能をAPI経由で提供します。

  • オーソリ(承認)
  • キャプチャ(確定)
  • 返金処理
  • レジャー(取引台帳管理)
  • サブスクリプション課金
  • キーマネジメント

これらは従来型のカード決済やオンライン決済に近い概念で整理されており、ブロックチェーンの専門知識がなくても、加盟店向けの機能をほぼそのまま提供できる点が特徴です。

3. Commerce Payments Protocol(オンチェーン実行レイヤー)

Commerce Payments Protocolは、Baseチェーン上で動作するオンチェーン実行レイヤーです。

  • オープンソースのスマートコントラクト群として提供
  • エスクローや遅延キャプチャ、返金処理など、従来の決済で一般的な機能をオンチェーン上で再現
  • サブセカンドレベルの高速実行低コストを両立

このレイヤーによって、オンチェーンならではの透明性やプログラマビリティを確保しつつ、既存の決済構造との親和性も維持しています。

ShopifyにおけるCoinbase Paymentsの活用イメージ

ShopifyはCoinbase Paymentsを統合することで、プラットフォーム全体でUSDC決済を24時間365日提供できるようになります。

各レイヤーの役割は次の通りです。

  • Stablecoin Checkout 購入者に対して、ウォレットベースの高速なチェックアウト体験を提供
  • Ecommerce Engine Shopify 側が API 経由でオーソリやキャプチャ、返金などの機能を管理
  • Commerce Payments Protocol エスクローや決済処理をオンチェーン上で安全に実行

さらに、Coinbase Developer Platform の Wallet API を組み合わせることで、スマートコントラクトを通じた決済フローを実現しています。その結果、Shopify の加盟店にとっては次のようなメリットが生まれます。

  • 追加設定なしでUSDC決済を受け取れる
  • 従来の決済手段と比較して、手数料を低く抑えられる可能性
  • グローバルな顧客からの支払いを、常時受け入れ可能

プラットフォーム事業者・PSPにとってのメリット

Coinbase Paymentsは、特に次のような企業に向けて設計されています。

  • PSP(決済サービスプロバイダー)
  • マーケットプレイス
  • コマースインフラ企業

これらの事業者にとっての主なメリットは、次の通りです。

  • 既存の決済スタックを作り直すことなくUSDC対応が可能
  • オンチェーンを活用したグローバル展開が容易になる
  • 決済全体の手数料構造を見直しやすくなる
  • フィアット通貨へのオフランプ(法定通貨への換金)に対応
  • 監査済みスマートコントラクトを前提とした、高い信頼性のあるオンチェーン実行
  • 今後提供予定の、プログラマブルなリワード機能への拡張性

プラットフォーム側は、ステーブルコインを支える強力なインフラを手に入れつつ、加盟店には「これまでと同じようにシンプルな決済体験」を提供できる点が大きなポイントです。

もし多くの加盟店を抱えるプラットフォーム事業者であり、「これまで以上に高速で低コストな決済体験を提供したい」「オンチェーンを活用した新しい収益モデルやリワード設計を検討している」といった課題感を持っている場合、このようなステーブルコイン決済のツールは、有力な選択肢の一つになると考えられます。

まとめ:Coinbase Paymentsは、ステーブルコイン決済が「当たり前」になるためのインフラ

最後に、本記事のポイントを整理します。

  • ステーブルコイン決済は、年間 30兆ドル規模に達し、前年から3倍成長するなど、世界のコマース構造を大きく変えつつある
  • 多くの企業がオンチェーン活用を進めている一方で、ステーブルコイン決済の導入には技術・インフラ面のハードルが残っている
  • Coinbase Payments は、Stablecoin Checkout、Ecommerce Engine、Commerce Payments Protocol の3レイヤー構成で、 エンドユーザーからオンチェーン実行までをフルスタックでカバーする決済スタック
  • Shopify ではすでに本番導入されており、数百万の加盟店にUSDC決済を提供するためのインフラとして機能している
  • PSPやマーケットプレイス、コマースインフラ企業にとって、 「自社決済スタックを全面刷新することなく、USDCを組み込むための現実的な選択肢」となりうる

最後までお読みいただきありがとうございました。Base上で展開されるステーブルコイン決済の動きは、今後のeコマースやデジタル決済のあり方を考えるうえで、ますます重要になっていくと考えられます。先進事例として、引き続き目が離せません。

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