SBIホールディングスが推進する2026年のWeb3戦略:金融特化型L1「Strium」と円建てステーブルコインの展開

SBIホールディングスは、2026年に向けてデジタル資産インフラの構築を本格化させています。金融特化型ブロックチェーン「Strium(ストリウム)」の発表や、国内の規制に準拠した円建てステーブルコインの発行計画など、伝統的金融(TradFi)とWeb3を融合させる独自の「トークンエコノミー」構想を具体化しています。これらの取り組みは、すべての金融資産がオンチェーンで取引される次世代の金融インフラ構築を目指すもので、業界にとって重要な転換点となると見られます。

金融特化型レイヤー1「Strium」による資産のオンチェーン化

SBIホールディングスが推進する2026年のWeb3戦略:金融特化型L1「Strium」と円建てステーブルコインの展開

SBIホールディングスとStartale Groupは、2026年2月5日に金融特化型のレイヤー1ブロックチェーン「Strium Network(以下、Strium)」を共同発表しました。このプラットフォームは、暗号資産だけでなく、トークン化された株式やRWA(リアルワールドアセット:現実資産)連動型の金融商品など、あらゆる金融資産のオンチェーン取引に特化しています。

Striumは、24時間365日稼働する現物およびデリバティブ市場の提供を目指しており、現在は概念実証(PoC)フェーズに移行しています。機関投資家向けのオンチェーン資本市場インフラとしての実効性を検証しており、すべての金融資産がブロックチェーン上で直接取引・決済される世界の実現に向けた基盤機能の構築を進めているとされています。

円建てステーブルコインとトークン化資産の拡充

SBIグループは、2026年第2四半期(4月〜6月)に、日本の法規制に完全に準拠した円建てステーブルコインの発行を計画しています。このプロジェクトはStartale Groupとの提携により進められており、SBI新生銀行の子会社であるSBI新生信託銀行が発行・償還を担い、SBI VCトレードが流通を支援する体制です。

また、資産のトークン化に関する以下の施策も進められています。

  • トークン化株式の24時間取引: SBIホールディングスを筆頭とするコンソーシアムが、上場株式をセキュリティ・トークン(ST:デジタル証券)化し、1円単位で24時間365日取引できる仕組みを2026年から導入することを検討しています。
  • トークン化ゴールドの提供: グループ傘下のB2C2が、2026年3月より機関投資家向けにトークン化された金(PAXGおよびXAUT)のOTC取引(相対取引)を開始しました。これにより、法定通貨やステーブルコインとトークン化された金を即時決済(T+0)で交換することが可能になっています。

AIインフラへの投資とWeb3事業の成長

SBIグループは、技術基盤の強化を目的に、AI(人工知能)を活用したブロックチェーンインフラへの投資も積極的に行っています。2026年4月1日には、AIネイティブなブロックチェーンインフラを提供するUniblock社への出資を発表しました。Uniblockは、300以上のチェーンと55以上のデータプロバイダーを統合するAPIを提供しており、AIが自律的にブロックチェーン情報を処理できる環境の構築を支援しています。

2026年3月期第2四半期の連結決算において、SBIホールディングスは純利益1,658億円と過去最高を記録しました。暗号資産事業の売上高は約330億円と堅調に推移しており、国内の顧客口座数は179万口座に達しています。マイニング事業での不正流出による損失があったものの、グループ全体としてはステーブルコイン、トークン化証券、暗号資産取引を横断する「デジタル経済圏の総合金融プラットフォーム」としての地位を固めていると見られます。

ポイント

  • 金融特化型L1「Strium」の発表: あらゆる金融資産をオンチェーン化し、24時間365日の取引・決済を可能にする専用基盤の構築が進められています。
  • 円建てステーブルコインのQ2開始: 2026年第2四半期に規制準拠型の発行を予定しており、トークンエコノミーの決済基盤としての役割が期待されます。
  • トークン化資産(RWA)の拡充: 1円単位での株式取引や、B2C2によるトークン化ゴールドの取り扱いなど、伝統的資産のデジタル化が加速しています。
  • AIネイティブなインフラへの投資: Uniblockへの出資を通じて、AIとブロックチェーンが融合した次世代の開発環境整備を支援しています。
  • 強固な収益基盤と戦略: 過去最高益を背景に、銀行・証券・暗号資産を横断する「第三極」としてのデジタル金融エコシステム構築を推進しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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