米暗号資産交換業大手のCoinbase Global(コインベース)が、米通貨監督庁(OCC)から全米信託会社(National Trust Company)としての設立に関する条件付き認可を受けました。この決定により、同社は連邦規制下での暗号資産カストディ(保管・管理)業務が可能となり、機関投資家からの信頼向上とサービス拡大を目指します。
機関投資家向けカストディ業務の強化と連邦規制への対応
Coinbaseは、銀行規制当局であるOCCから全米信託銀行チャーターの条件付き認可を取得したことを発表しました。この認可により、同社は全米規模で連邦規制に基づいた暗号資産カストディアンとして運営できるようになります。
Coinbase Institutionalの共同CEOであるグレッグ・トゥサー氏は、ブログの中で「連邦政府の監督を受けることで、カストディ業務に一貫性と統一性がもたらされ、決済や関連サービスを含む新製品の基盤が構築される」と述べています。これは、これまで州ごとに異なっていた規制を統一し、より効率的な事業展開を可能にするものと見られます。
銀行業務の制限と既存の参入事例
今回の認可は、Coinbaseが一般的な商業銀行になることを意味するものではありません。同社はブログにおいて、個人顧客からの預金受け入れや、準備預金制度(Fractional Reserve Banking)を用いた融資業務などは行わないことを明文化しています。
米国では規制環境の変化に伴い、同様の動きが加速しています。2026年初頭には、同じく暗号資産プラットフォームを運営するCrypto.comがOCCから全米信託銀行チャーターの条件付き認可を受けており、業界全体で連邦規制の枠組みへの参入が進んでいる状況です。
米国における規制緩和の背景
今回の認可の背景には、米国の規制当局による暗号資産へのアプローチの変化があるとされています。トランプ大統領の再就任以降、規制当局はこれまでの制限を緩和し、法執行措置を縮小するなど、より暗号資産に寛容な姿勢(Crypto-friendly approach)に転じていると報じられています。
このような規制の透明性の向上は、これまで法的な不透明さを懸念していた大規模な機関投資家にとって、暗号資産市場への参入障壁を下げる要因になると見られます。
ポイント
- Coinbaseが米通貨監督庁(OCC)から全米信託会社の条件付き認可を取得しました。
- 連邦規制下でのカストディ業務が可能になり、機関投資家に対する信頼性と訴求力の向上が期待されます。
- 決済サービスなどの新製品展開に向けた統一的な事業基盤として機能する見通しです。
- 商業銀行とは異なり、個人預金の受け入れや準備預金制度による融資は行わない方針です。
- 米国政府の政策変更に伴う規制緩和の流れが、今回の認可を後押ししたと見られています。