米CFTC、KuCoin運営会社に対し米国市場へのアクセスを恒久的に禁止

米CFTC、KuCoin運営会社に対し米国市場へのアクセスを恒久的に禁止

米商品先物取引委員会(CFTC)は、暗号資産取引所KuCoinを運営するPeken Global Limitedに対し、米国居住者へのサービス提供を恒久的に禁止する同意命令を発しました。同社は無登録で取引システムを提供していたとして、民事罰金の支払いにも合意しています。今回の決定により、KuCoinの米国事業は一時的な制限から恒久的な停止へと移行することになります。

同意命令の内容と制裁金

米CFTC、KuCoin運営会社に対し米国市場へのアクセスを恒久的に禁止

ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所が発した同意命令により、Peken Globalは今後、外国取引所としての登録なしに米国居住者へサービスを提供することが恒久的に禁止されました。同社はCFTCへの登録を行わずに、米国居住者が電子取引や注文マッチングシステムを利用できる環境を提供していたとされています。

この命令に伴い、同社には50万ドル(約7,750万円)の民事裁判金の支払いが命じられました。一方で、Peken GlobalがCFTCの調査および関連する訴訟手続きに協力したことが考慮され、不当利益の返還(得られた利益を返還させる手続き)は求められないことが明記されています。なお、CFTCが同時に提訴していたMek Global Limitedなどの関連会社3社に対する請求については、裁判所によって棄却されました。

司法省との刑事訴訟と事業撤退の背景

今回のCFTCによる措置は、並行して進められていた刑事訴訟の流れを汲むものです。Peken Globalは無許可の送金事業を運営した罪で既に有罪を認めています。米司法省(DOJ)が2025年1月に発表した内容によると、同社は約2億9,700万ドル(約460億円)の罰金を支払い、最低2年間は米国市場から撤退することに同意していました。

今回のCFTCによる同意命令は、こうした刑事訴訟での合意を補完する形となり、米当局による監視体制がより厳格に適用された結果といえます。

グローバルで強まる規制当局の監視

KuCoinに対する規制の動きは米国だけに留まりません。2024年11月には日本の金融庁が無登録営業として同社を含む海外取引所5社に警告書を発出しています。また、2026年3月にはドバイの規制当局もライセンス未取得を理由に業務停止命令を出したとされています。

主要国において、無登録のまま居住者にサービスを提供する海外取引所への風当たりは強まっており、今回の米国での恒久的な禁止命令は、他の地域における規制判断にも影響を与える可能性があります。Web3ビジネスを展開する企業にとって、各国の規制遵守(コンプライアンス)が事業継続の前提条件であることを改めて示す事例となりました。

ポイント

  • 米CFTCがKuCoin運営会社に対し、米国居住者へのサービス提供を恒久的に禁止した。
  • 無登録での取引環境提供を理由に、50万ドルの民事裁判金の支払いが命じられた。
  • 米司法省との刑事訴訟では既に約2億9,700万ドルの罰金と2年間の米国撤退に合意している。
  • 調査への協力が考慮され、不当利益の返還請求は免除された。
  • 日本やドバイでも当局から警告や停止命令を受けており、国際的な規制圧力が強まっている。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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