QRコード決済ゲートウェイを展開するネットスターズは2026年4月2日、米ドル建てステーブルコイン「USDC」を実店舗で利用可能にする実証実験の第2弾を開始したと発表しました。今回の実験は兵庫県姫路市のトレーディングカード専門店で実施され、実店舗におけるステーブルコイン決済の実用性と、インバウンド旅行客の利便性向上を検証します。既存の決済インフラを活用しながらWeb3技術を融合させる試みとして、国内の決済シーンにおけるステーブルコインの普及に向けた重要なステップとなります。
姫路市のトレーディングカード専門店でインバウンド需要を検証
今回の実証実験の舞台となるのは、兵庫県姫路市のトレーディングカード専門店「TCG BW姫路店」です。同店は世界遺産である姫路城の近隣に位置しており、訪日外国人観光客の来店が多いという特徴があります。
ネットスターズは、世界的に人気が高いトレーディングカードと、海外で普及が進んでいるステーブルコインは親和性が高い分野であると分析しています。観光地に位置する特定の趣味層向け店舗で検証を行うことで、インバウンド客の決済利便性を高め、店舗側の売上機会を拡大することを目指しています。
この取り組みは、2026年2月まで羽田空港第3ターミナルの土産店で実施されていた第1弾の実証実験に続くものです。羽田空港での実験では、訪日外国人を中心に一定の利用が確認されており、今回の第2弾はその手応えを得て次の段階へ進んだものと見られます。
メタマスクと既存端末を組み合わせた店舗負担の少ない決済仕組み
利用者がUSDCで支払う際の仕組みは、暗号資産ウォレットである「MetaMask(メタマスク)」を使用します。利用者がメタマスクで表示したQRコードを店舗側が読み取ることで決済が完了します。
このシステムの大きな特徴は、店舗側の運用負担が極めて低い点にあります。加盟店は既に導入している決済端末をそのまま利用でき、金額入力や売上の管理は従来通り日本円で行うことが可能です。
ネットスターズの代表取締役社長CEOである李剛氏は、店舗側の負担を増やさず、これまでと同じ感覚で使えることが重要であると強調しています。ユーザーはステーブルコイン(価格の安定を目的とした暗号資産)という新しい手段で支払いを行いながら、店舗側は従来のキャッシュレス決済と同様のオペレーションを維持できる仕組みを構築することで、小規模店を含む多業種への展開を視野に入れています。
ブロックチェーンによる金融基盤の変革と今後の展望
ネットスターズは数年前からブロックチェーンと決済の融合を模索しており、李氏は「ブロックチェーンによって金融の基盤そのものが変わる可能性がある」との見解を示しています。
これまでの実証実験では、高速な処理と低コストが特徴とされる「Solana(ソラナ)」チェーンを基盤として活用してきました。李氏は今後の展開として、複数のブロックチェーンへの対応や、USDC以外のステーブルコインへの拡張の可能性についても言及しています。
実店舗でのステーブルコイン決済が、単なる技術検証から実用的な決済手段へと移行できるか、今回の姫路での実験結果が今後の多業態展開における重要な指標になると見られます。
ポイント
- ネットスターズが姫路市のトレーディングカード専門店で、USDCによる実店舗決済の実証実験第2弾を開始しました。
- インバウンド旅行客が多い立地と、ステーブルコインと親和性の高いトレーディングカード分野を組み合わせ、決済の利便性を検証する点で注目されます。
- 利用者はメタマスクでQR決済を行い、店舗側は既存端末で日本円として処理できるため、導入ハードルが低い仕組みとなっています。
- これまでの実験ではソラナチェーンが基盤として使用されており、今後は複数のブロックチェーンや他のステーブルコインへの対応も検討されています。
- 羽田空港での第1弾に続き、実店舗での実用性を検証することで、ステーブルコイン決済の多業種・多業態への普及を目指しています。