米OCC、Coinbaseに連邦信託銀行チャーターを条件付きで認可

米通貨監督庁(OCC)は、暗号資産取引所大手Coinbaseに対し、連邦信託会社(National Trust Company)の設立を条件付きで認可しました。これにより、同社は連邦政府の直接的な監督下でデジタル資産のカストディ(保管)や取引決済業務を行うことが可能になります。既存の州単位の規制から連邦レベルの統一された規制枠組みへの移行が進む中、業界の信頼性向上に向けた重要な一歩と見られています。

認可の内容と業務の制限

米OCC、Coinbaseに連邦信託銀行チャーターを条件付きで認可

今回のOCCによる条件付き認可は、Coinbaseが連邦規制対象のカストディアンとして運営することを認めるものです。ただし、この認可は伝統的な商業銀行のような全サービスを提供するものではありません。具体的には、一般顧客からの現金預金の受け入れや融資(ローン)の提供は認められておらず、分数的準備銀行制度(預金の一部を貸し出しに回す仕組み)も採用されません。主な業務は、連邦監督システム内での顧客資産の保護と、取引決済の支援に特化されるとされています。

拡大する連邦規制の枠組み

暗号資産業界では、州単位の規制構造から連邦レベルの監督体制への移行が加速しています。2026年2月にはCrypto.comが同様の条件付き認可を受けているほか、2025年12月にはRippleやCircleも初期認可を取得したとされています。また、BitGo、Paxos、Fidelity Digital Assetsなどの企業も、既存の州信託チャーターから連邦チャーターへの転換を進めています。連邦信託チャーターを取得することで、企業は州ごとの規制に縛られず、全米規模でより広範な業務展開が可能になるとされています。

ビジネスおよび機関投資家への影響

米政府による今回の決定は、暗号資産のカストディ業務において「連邦レーン(連邦政府が主導する規制上の経路)」が確立されつつあることを示しています。機関投資家にとっては、OCCという連邦当局の監督下でデジタル資産を保持し、決済を行える明確な枠組みが提供されることになります。これにより、法的透明性が向上し、伝統的な金融機関や大規模な機関投資家がWeb3市場へ参入する際の心理的・法的な障壁が低減される可能性があります。

ポイント

  • 米OCCがCoinbaseに対し、連邦信託会社の設立を条件付きで認可しました。
  • 業務範囲はカストディと決済に限定され、預金や融資は行わないとされています。
  • 州規制から連邦レベルの監督体制への移行を象徴する動きとして注目されます。
  • RippleやCircle、Fidelityなども同様の連邦化を推進しており、業界標準の変化を示唆しています。
  • 機関投資家に対する法的透明性と信頼性の向上が期待される点で重要です。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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