バイナンス、ドバイで完全な仮想資産サービスプロバイダー免許を取得

世界最大級の暗号資産取引所を運営するバイナンス(Binance)の現地法人であるバイナンスFZEが、ドバイの仮想資産規制当局(VARA)から完全な仮想資産サービスプロバイダー(VASP)免許を取得しました。これにより、同社はドバイにおいて機関投資家だけでなく、個人投資家(リテール)向けにも広範なサービスを提供することが可能になります。今回の免許取得は、同社がグローバルで進める規制遵守(コンプライアンス)重視の戦略における重要な進展と見られます。

ライセンスのアップグレードと提供サービスの拡大

バイナンス、ドバイで完全な仮想資産サービスプロバイダー免許を取得

今回のVASP免許の取得は、バイナンスが2023年半ばから保有していた「運用可能最小実行可能製品(Operational MVP)」ライセンスからの重要な進展です。従来のライセンスでは、提供できるサービスが機関投資家や適格投資家に限定されていましたが、フルライセンスへの移行により、ドバイの個人投資家市場への本格的な参入が可能となります。

具体的には、現物取引や法定通貨関連のサービスに加え、仲介業務(ブローカー・ディーラー)や仮想資産のデリバティブ取引など、より多様なサービスを現地の利用者に提供できるようになります。また、アラブ首長国連邦(UAE)の居住者は、2024年12月までにバイナンスのグローバルプラットフォームから、現地で規制されたバイナンスFZEのプラットフォームへと移行する予定とされています。

規制当局との合意と組織ガバナンスの変更

今回の免許交付にあたっては、バイナンスの組織体制にも変化が生じていると報じられています。一部の報道によると、ドバイ当局がフルライセンスを付与する条件として、同社の共同創設者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏が現地法人の議決権を放棄することが求められたとされています。ジャオ氏は現在、米国での法的手続きに直面しており、今回の措置は当局が求める透明性とガバナンスの基準を満たすための対応であった可能性があります。

バイナンスのリチャード・テンCEOは、今回の成果について、透明性と規制遵守、そしてダイナミックなデジタル資産分野における責任ある成長への献身を体現するものだと述べています。同氏は、今後5年間で暗号資産の採用がさらに加速すると予測しており、明確な規制枠組みのもとで機関投資家の参入を促すことが、業界全体の信頼性向上につながるとの考えを示しています。

ポイント

  • バイナンスのドバイ法人が、現地の規制当局VARAからフルライセンス(VASP)を取得したことで、個人投資家へのサービス提供が可能になりました。
  • 従来の機関投資家向け限定のライセンスから、現物取引やデリバティブを含む広範なサービスへと対象範囲が拡大されます。
  • 免許取得の条件として、共同創設者のチャンポン・ジャオ氏が現地法人の議決権を放棄した可能性が報じられており、組織のガバナンス強化が進んでいます。
  • UAE居住のユーザーは今後、現地で認可されたプラットフォームへと順次移行するスケジュールが示されています。
  • 今回の動きは、バイナンスがグローバルで進めるコンプライアンス重視の経営体制への移行を示す象徴的な事例として注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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