イーサリアムの普及と発展を支える非営利団体であるイーサリアム財団(EF)が、過去24時間で約1億ドル相当のイーサリアム(ETH)を新たにステーキングしたことが明らかになりました。これは、運営資金を確保するために保有するETHを定期的に売却してきたこれまでの慣習からの大きな転換を意味します。自らネットワークのセキュリティに貢献しながら報酬を得る仕組みへ移行することで、市場への売り圧力を抑えつつ、持続可能な運営体制を構築する狙いがあると見られています。
ステーキング目標の達成と財務戦略の転換
最新のオンチェーンデータによると、イーサリアム財団は約45,000 ETH(当時の価格で約9,300万ドルから1億ドル相当)をステーキング用のコントラクトへ送金しました。これにより、同財団がステーキングしているETHの総額は約7万ETH(約1億4,300万ドル相当)に達しました。
この動きは、2026年2月に発表された「7万ETHのステーキング計画」に基づくものです。財団はこれまで、プロトコルの研究開発やエコシステムへの助成金を捻出するために保有資産を売却してきましたが、今後はステーキングによって得られる報酬を運営資金に充てる方針です。現在の市場環境下では、このステーキングポジションから年間約400万ドルから600万ドルの収益が見込まれており、外部への売却に頼らない自律的な財務モデルへの移行が進んでいます。
市場への影響とネットワークへの貢献
イーサリアム財団による定期的なETH売却は、これまで市場において潜在的な売り圧力(セルサイド・プレッシャー)と見なされ、投資家心理に影響を与える要因となってきました。今回の「売却からステーキングへ」という行動の変化は、財団が自ら開発を主導するプロトコルの長期的な価値に対して強い自信を持っているというシグナルとして市場に受け止められています。
また、財団はサードパーティの液動ステーキングプロトコルを利用せず、自らバリデータ(ネットワークの検証者)を運用する「ソロステーキング」を採用しています。これには分散型署名などのオープンソース技術が活用されており、ネットワークの分散化を損なうことなくセキュリティを強化する役割も果たしています。一方で、財団が大きな投票権を持つことによるガバナンス上のリスクを懸念する声も一部で上がっていますが、財団側は透明性の高い運用を通じてこれらのリスクを管理する姿勢を示しています。
ポイント
- 過去24時間で約1億ドル相当のETHを追加ステーキングし、目標としていた7万ETHにほぼ到達しました。
- 従来の「保有資産の売却」による資金調達から、ステーキング報酬を活用する持続可能な運営モデルへと転換しています。
- 市場における売り圧力を軽減し、プロトコルの長期的な安定性と成長に対する強い信頼感を示す形となりました。
- 自らバリデータとして参加することで、イーサリアムネットワークのセキュリティと分散性の向上に直接寄与しています。