JPXのTOPIX新規追加見送り方針に対しメタプラネットCEOが言及、建設的な対話を継続へ

日本取引所グループ(JPX)傘下のJPX総研が、暗号資産を主たる資産とする企業をTOPIX(東証株価指数)などの指数へ新規追加しない方針を公表しました。これを受け、国内上場企業として最大級のビットコインを保有する株式会社メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOは、自身のX(旧Twitter)で公式な見解を述べています。同氏は、JPXをはじめとするステークホルダーとの建設的な対話を継続し、日本におけるビットコイン・エコシステムの発展に貢献していく姿勢を強調しました。

JPXによる指数算出要領の改定とその内容

JPX総研が2026年4月3日に公表した指数のルール見直し案によると、暗号資産を主たる資産として保有する企業について、TOPIXをはじめとする定期入替対象指数への新規追加を当面の間見送る方針が示されました。

この方針の背景には、特定の資産を主たる保有対象とする銘柄の株価が、当該資産の価格変動に連動しやすいという構造的な課題があります。指数に追加した後に取り扱いを変更すると、指数に連動して運用を行うパッシブファンド(特定の指数と同じ値動きを目指す投資信託など)への影響が大きいため、新規追加の段階で慎重な判断が必要であると説明されています。

報道等によると、この「主たる資産」の具体的な基準は、暗号資産の保有量が総資産の50パーセントを超える企業が対象になるとされています。なお、今回の措置は新規に指数へ採用される銘柄に限定されており、すでにTOPIXに組み入れられている既存の構成銘柄には適用されません。この新ルールは、意見募集(コンサルテーション)を経て、2026年10月の定期入替から適用される見通しです。

メタプラネットが強調する事業の多角化と「Project Nova」

メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOは、同社の設立理念が「日本の投資家が東京証券取引所に上場する企業を通じて、透明性の高い形でビットコインにアクセスできる環境を提供すること」にあると改めて説明しました。同社は2026年4月時点で4万177BTCを保有しており、これは世界の企業で第3位の保有量に相当します。

一方で、ゲロヴィッチ氏は同社の事業が単なる暗号資産の保有(トレジャリー機能)に留まらない点を強く主張しています。その中核となるのが「Project Nova(プロジェクト・ノヴァ)」と呼ばれる取り組みです。

Project Novaは、日本におけるビットコイン関連情報やサービスのハブ(中心拠点)構築を目指すプロジェクトです。これには、関連事業の構築や業界パートナーへの投資、ビットコイン・エコシステムの発展への貢献が含まれています。CEOは、こうした同社のミッションに対して、現在21万6000人を超える日本の株主から賛同を得ていると言及しました。

ステークホルダーとの対話と今後の展望

メタプラネットは、JPXによる規制強化の検討が報じられた2025年11月の時点でも、投資家保護を目的とした規制の議論を「必然的かつ健全な動き」と評価する公式見解を発表していました。当時から専門家と連携し、適法かつ透明性の高いプロセスで事業転換を進めてきたことを強調しています。

今後の対応についてゲロヴィッチ氏は、JPXを含むすべてのステークホルダーとの建設的な対話を継続する意向を示しました。ビットコインおよびメタプラネットが日本の金融の将来において果たし得る役割について、市場の理解を深める努力を続けていくとしています。

同社は、単なる資産保有企業ではなく、ビットコインを軸としたプラットフォーム事業を展開する企業として、既存の枠組みの中での役割を模索していくものと見られます。

ポイント

  • JPX総研は、暗号資産を主たる資産(総資産の50パーセント超)とする企業のTOPIX等への新規追加を当面見送る方針を発表しました。
  • 2026年10月の定期入替からの適用が予定されていますが、既存の指数構成銘柄には適用されません。
  • メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOは、同社が4万177BTCを保有する世界第3位の企業であることを踏まえつつ、JPXとの建設的な対話を継続する姿勢を示しました。
  • 同社は「Project Nova」を通じて、単なる資産保有に留まらないビットコイン関連事業のハブ構築やエコシステムへの投資を推進している点を強調しています。
  • 現在21万6000人を超える株主を抱えており、日本の投資家に透明性の高いビットコインへのアクセス手段を提供するミッションの重要性を訴えています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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