米証券大手チャールズ・シュワブ、ビットコインとイーサリアムの現物取引に向けた事前登録を開始

米証券大手のチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)が、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物取引サービスの提供に向けて事前登録の受付を開始しました。2026年上半期の正式ローンチを目指しており、12兆ドルを超える膨大な運用資産を持つ同社の参入は、伝統的金融(TradFi)と暗号資産市場の統合をさらに加速させる重要な動きと見られます。

2026年上半期の提供開始に向けた「Schwab Crypto」の展開

米証券大手チャールズ・シュワブ、ビットコインとイーサリアムの現物取引に向けた事前登録を開始

「Schwab Crypto」と名付けられたこの新サービスは、既存のシュワブ証券口座の延長として設計されています。これにより、投資家は株式や債券といった従来の金融商品と同一のプラットフォーム上で、暗号資産を直接管理できるようになる見込みです。

最高経営責任者(CEO)のリック・ワースター氏は、2026年第2四半期に限定的な形でサービスを開始し、その後より広範に展開する方針を示しています。サービスの詳細は以下の通りです。

  • 対象資産: ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の現物。
  • 対象者: ニューヨーク州とルイジアナ州を除くアメリカ在住者。
  • 構造: 銀行子会社である「Charles Schwab Premier Bank, SSB」を通じて提供される予定です。

同社はこれまで、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)や暗号資産関連株(コインベースなど)へのアクセスは提供してきましたが、顧客が直接暗号資産の現物を売買・保有できるサービスは提供していませんでした。今回の決定により、投資家は仲介商品を経由せずに直接的なエクスポージャー(価格変動の影響を受ける状態)を得ることが可能になります。

伝統的金融機関による暗号資産市場への参入加速

チャールズ・シュワブの参入は、ウォール街の主要な金融機関が一斉に暗号資産の現物取引へと舵を切っている業界全体の流れを象徴しています。

同社は12兆2000億ドル(約1952兆円)を超える運用資産と、3890万以上のアクティブな証券口座を抱える巨大企業です。このような大規模な顧客基盤を持つ企業が直接取引を解禁することは、一般投資家層への暗号資産の普及を大きく後押しする可能性があります。

他の主要金融機関でも同様の動きが続いています。

  • メリルリンチ: 2026年1月にビットコイン現物ETFの顧客推奨を解禁。

モルガン・スタンレー: 2026年3月に独自のビットコイン現物ETFを申請。また、傘下のETRADEを通じて、2026年上半期にビットコイン、イーサリアム、ソラナ(SOL)の小口現物取引を開始する計画です。

規制環境の整備が進むにつれ、これまで慎重な姿勢を見せてきた伝統的金融機関が、顧客需要に応える形で暗号資産サービスをポートフォリオに組み込み始めています。

ポイント

  • 12兆ドルの巨人が参入: 膨大な運用資産を持つチャールズ・シュワブが直接取引を提供することで、市場の流動性と信頼性が向上する可能性があります。
  • 利便性の向上: 従来の証券口座と同じプラットフォームで暗号資産を管理できるため、投資家にとっての心理的・技術的ハードルが下がると見られます。
  • 段階的なローンチ: 2026年第2四半期に限定的な提供を開始し、上半期中の正式な展開を目指す具体的なスケジュールが示されています。
  • 業界の連鎖反応: モルガン・スタンレーやメリルリンチなど、他の大手金融機関との競争が激化しており、TradFiによる暗号資産の採用が一段と進む局面を迎えています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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