米金融テクノロジー企業のブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズは、デジタル資産に対応したガバナンスプラットフォームの拡張を発表しました。これにより、従来の株式とトークン化された株式の双方において、議決権行使やコーポレートアクション(配当や増資など、企業の財務や株主に影響を与える決定)の管理を一体的に行うことが可能になります。暗号資産関連企業のギャラクシーが初の実証事例として、2026年5月の株主総会でオンチェーン議決権行使を実施する予定です。
既存業務フローを維持したトークン化資産の管理
ブロードリッジの新機能は、上場企業、ファンド、証券会社、資産運用会社などの幅広い市場参加者を対象としています。大きな特徴は、ユーザーが既存のシステムや業務フローを維持したまま、トークン化証券の議決権行使や情報開示の管理を行える点にあります。
同社はすでに月間約8兆ドル(約1240兆円)規模のトークン化資産を処理する実績を持っており、今回の拡張は、金融業界で進む資産のトークン化を見据えた大規模運用に対応するためのインフラ整備とされています。既存の金融システムとブロックチェーン技術を融合させることで、運用の効率化を図る狙いがあるものと見られます。
ギャラクシーによるオンチェーン議決権行使の実施
初の実装企業となるギャラクシーは、2026年5月に予定されている年次株主総会において、この新しい基盤を活用したオンチェーンでの議決権行使を行います。同社は、主要なパブリックブロックチェーン上でネイティブなトークン化株式を発行した、米国初の上場企業とされています。
技術的な仕組みとしては、議決権行使の記録をAvalanche(アバランチ:高速な処理と拡張性を特徴とするレイヤー1ブロックチェーン)ベースのブロックチェーン上に保存し、その後複数のブロックチェーンへ配信する形式を採用しています。
また、ブロードリッジの既存サービスである「ProxyVote」をデジタルウォレットと統合することで、投資家はウォレット上で資料の受領や保有状況の確認、投票の実施を完結できるようになります。これにより、議決権行使における透明性と検証可能性が向上するとされています。ギャラクシーのCEOであるマイク・ノボグラッツ氏は、株式所有の中核機能である議決権行使をオンチェーンで実現することは、伝統的金融とブロックチェーンの融合を象徴するものだと述べています。
ポイント
- ブロードリッジが、伝統的株式とトークン化株式のガバナンスを統合管理する基盤を拡張。
- 月間約8兆ドル規模のトークン化資産を処理する既存インフラを活用し、大規模運用に対応。
- ギャラクシーが2026年5月の株主総会で、上場企業として初のオンチェーン議決権行使を実施予定。
- Avalancheベースのブロックチェーンを活用し、議決権行使の記録における透明性と検証可能性を確保。
- デジタルウォレットと既存の投票システムを統合し、投資家が直接ウォレットから投票できる仕組みを構築。