Polygonがハードフォーク「Giugliano」を4月8日に実施へ、ネットワークの安定性と確定時間を改善

Polygon財団は、メインネットのアップグレードとなるハードフォーク「Giugliano(ジュリアーノ)」を、UTC(協定世界時)の2026年4月8日午後2時ごろに実施することを発表しました。このアップグレードは、ネットワークの安定性向上と取引の確定時間の短縮を目的としており、決済やトークン化された資産の取り扱いに適した高いスループットの実現を目指しています。2025年に発生した一連の稼働トラブルを経て、信頼性の回復を図る重要なステップと位置づけられています。

確定時間の短縮と手数料の透明性向上

Polygonがハードフォーク「Giugliano」を4月8日に実施へ、ネットワークの安定性と確定時間を改善

今回のGiuglianoアップグレードでは、技術的な改善によって取引の確定(ファイナリティ)までの時間が短縮されます。具体的には、ブロック生成者が通常よりも早い段階でブロックをアナウンスできるようになることで、ユーザーが取引の完了を確信するまでの待機時間が減少します。先月実施されたテストネット「Amoy」での検証では、確定時間が約2秒短縮されるという結果が示されています。

また、手数料(ガス代)の透明性を高める仕組みも導入されます。ブロックヘッダーに手数料に関するパラメータを直接埋め込むとともに、新しいRPC(リモート・プロシージャ・コール:外部からネットワークのデータを取得する仕組み)インターフェースが追加されます。これにより、開発者やアプリケーションは外部の予測ツールに頼ることなく、プロトコルレベルで正確な手数料データにアクセスできるようになります。

2025年の課題克服と「Gigagas」ロードマップへの布石

Polygonは2025年、ネットワークの信頼性においていくつかの課題に直面しました。同年7月にはバリデーターシステムの不具合により約1時間のネットワーク中断が発生し、9月にはコンセンサス(合意形成)のバグによって取引の確定が最大15分遅延する事態となりました。今回のハードフォークは、こうした過去の不安定な状況を改善し、ネットワークの堅牢性を強化する取り組みの一環です。

このアップグレードは、Polygonが掲げる「Gigagas(ギガガス)」ロードマップの一部でもあります。このロードマップは、スループット(処理能力)を大幅に向上させることで、決済分野や現実資産(RWA)のトークン化といったビジネス利用におけるユーザー体験を改善することを目的としています。

実施スケジュールとノード運営者の対応

Giuglianoハードフォークは、Polygonメインネットのブロック高「85,268,500」で有効化される予定です。実施日時は2026年4月8日の午後2時(UTC)ごろと見込まれています。

ネットワークに参加しているノード運営者は、このアクティベーションブロックに到達する前に、ソフトウェアを最新バージョンにアップデートする必要があります。具体的には、Borをバージョンv2.7.0に、またはErigonをバージョンv3.5.0に更新することが求められています。なお、一般の利用者や開発者が特別な対応を行う必要はありません。

ポイント

・ハードフォーク「Giugliano」が2026年4月8日にメインネットで実施されます。

・ブロック生成の仕組みを変更することで、取引の確定時間が約2秒短縮される見込みです。

・手数料データをブロックヘッダーに直接含めることで、手数料の透明性と取得効率が向上します。

・2025年に発生したネットワークの遅延や中断といった課題に対処し、安定性を高める狙いがあります。

・決済やトークン化資産の普及に向けた「Gigagas」ロードマップの実現に向けた重要な進展です。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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