お好み焼「千房」がステーブルコインJPYC決済の実証実験を開始、SBT活用で顧客分析も

お好み焼店「千房」を運営する千房株式会社は、2026年4月7日、日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」を用いた決済の実証実験を開始しました。ブロックチェーン技術を活用した決済インフラを提供するHashPortと連携し、飲食代金の支払いと同時にデジタルトークンを付与する仕組みを導入します。実店舗におけるステーブルコインの普及と、Web3技術を活用した新たなマーケティング手法の確立を目指す取り組みとして注目されます。

実証実験の概要と対象店舗

お好み焼「千房」がステーブルコインJPYC決済の実証実験を開始、SBT活用で顧客分析も

今回の実証実験は、千房の「千日前本店」と「有楽町ビックカメラ支店」の2店舗で実施されます。

利用者はWeb3ウォレットである「HashPort Wallet」を使用することで、飲食代金をステーブルコイン「JPYC(1円相当の価値を持つデジタル通貨)」で支払うことができます。この決済方法を利用する場合、ユーザー側の支払手数料は無料とされています。

HashPortは2026年1月より、企業向けに手数料無料のステーブルコイン決済ソリューションを提供しており、今回の千房での導入はその基盤を活用したものと見られます。

SBT(譲渡不能トークン)を活用した顧客マーケティング

本取り組みの大きな特徴は、決済を行った顧客に対して特典として「SBT(Soulbound Token)」が付与される点です。

SBTとは、他者に譲渡することができない性質を持つデジタルトークンです。本実証実験において、SBTは以下の役割を担います。

  • 来店・利用証明: 偽造が困難なデジタル上の「来店証明書」として機能します。
  • データの可視化: 顧客の来店履歴や利用状況をデータとして蓄積・可視化します。

千房はこれらのデータを活用することで、より精度の高いマーケティング施策の立案や、リピーター獲得に向けた新たなサービスの開発に役立てる方針です。

ステーブルコイン決済導入の意義

今回の実証実験は、単なる決済手段の追加に留まらず、Web3技術を実店舗のビジネスモデルに統合する試みといえます。

ステーブルコインによる手数料無料の決済は、利用者と店舗双方にとってコスト面でのメリットがあるほか、ブロックチェーン上のデータを活用することで、従来のポイントカードなどでは難しかった高度な顧客分析が可能になります。HashPortは2026年に入り、ソニー銀行とのMOU(基本合意書)締結や万博デジタルウォレットへの関与など、金融インフラとしてのブロックチェーン活用を加速させており、今回の実証実験もその一環として位置付けられます。

ポイント

  • 実店舗でのステーブルコイン決済: 「千日前本店」と「有楽町ビックカメラ支店」で、日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」による支払いが可能になりました。
  • 決済手数料の無料化: 「HashPort Wallet」を利用することで、ユーザーは手数料負担なく飲食代金を支払うことができます。
  • SBTによる来店証明: 決済特典として譲渡不能なトークン(SBT)を付与し、偽造できない来店証明として活用します。
  • データドリブンなマーケティング: SBTを通じて蓄積された顧客データを可視化し、リピーター獲得などの施策に活用する方針です。
  • Web3インフラの社会実装: HashPortが推進する金融インフラ構築の一環であり、実需に基づいたブロックチェーン活用の事例として注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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