日本政府のWeb3政策は「オンチェーン金融」へシフト、自民党が新体制で推進

2026年4月7日に開催された「TEAMZ WEB3/AI SUMMIT 2026」において、デジタル大臣政務官の川崎ひでと氏が登壇し、政府のWeb3政策に関する現状を説明しました。川崎氏は「Web3が政府の方針から消えた」という見方を否定し、ブロックチェーンやAIを統合した「オンチェーン金融」への注力と、実装に向けた自民党内の新体制を明らかにしました。人口減少社会における成長戦略として、次世代の金融インフラ構築を加速させる狙いがあると見られます。

Web3政策の継続と「オンチェーン金融」への拡大

日本政府のWeb3政策は「オンチェーン金融」へシフト、自民党が新体制で推進

川崎氏は、政府の方針からWeb3が後退したという誤解を解きたいと強調しました。政府が掲げる大きな方針は「人口が減少しても成長する日本」の実現であり、そのためにブロックチェーンやAIといったテクノロジーを、特定の用語に固執することなく活用していく考えを示しています。

この方針の中で、特に注目されているのが「オンチェーン金融(ブロックチェーン上で直接実行される金融取引やシステム)」へのシフトです。従来のWeb3の枠組みを超え、AIとブロックチェーンを掛け合わせた次世代の金融システムの姿を描くことが、現在の政策の軸足となっていると見られます。

「ビジョン」と「実装」を分担する自民党の新組織体制

これまで日本のWeb3政策を主導してきた自民党内では、役割を明確に分担した3つの組織が並行して活動する体制が整えられました。既存の「AI Web3小委員会」に加え、新たに2つのプロジェクトチーム(PT)が設置されています。

1. AI Web3小委員会

AIやブロックチェーンを社会に実装するための、広範な大きな枠組みの検討を担います。

2. 次世代AI・オンチェーン金融構想PT

金融分野に特化し、次世代の金融システムがどうあるべきかという将来像(ビジョン)を描く役割を持ちます。

3. 決済・イノベーション推進PT

制度面や法改正を通じた実務的な社会実装を推進します。

川崎氏によれば、これらのPTを新設した背景には「世界と比較したときの危機感」があります。未来のビジョンを描く組織と、実効性を持たせて実装を進める組織を同時に走らせることで、政策の加速を図るとしています。

ビジネス環境への影響と今後の方向性

今回の発表は、Web3業界のビジネスパーソンにとって、政府の関心がより具体的かつ実務的な「金融システムの変化」へ移っていることを示唆しています。特にオンチェーン金融への注力は、従来の決済システムや金融制度がAIやブロックチェーンによって再構築されるプロセスを加速させる可能性があります。

川崎氏は「ビジョンと実効性を両方同時に走らせ、一気に加速させていきたい」と述べており、今後、法整備を含めた実装フェーズがより具体化していくものと見られます。

ポイント

  • 政府のWeb3政策は後退しておらず、AIやブロックチェーンを活用した「オンチェーン金融」への注力と実装フェーズへ移行しています。
  • 自民党内に「ビジョンを描くPT」と「法改正などの実装を担うPT」を新設し、政策推進を加速させる体制が構築されました。
  • 世界との競争に対する危機感を背景に、次世代の金融インフラ構築を成長戦略の柱に据える姿勢が示されました。
  • AIとブロックチェーンの統合が、今後の日本のテクノロジー政策における重要なテーマになると見られます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta