リップルの米ドルステーブルコイン「RLUSD」、SBIが国内導入に向け100万円制限の回避を検討

SBI VCトレードの近藤智彦代表取締役社長は、リップル社が発行する米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の国内導入において、現行の規制による「100万円制限」を回避する方針を明らかにしました。現在、日本国内で海外発行のステーブルコインを取り扱う際は取引額に制限があり、これが法人利用やクロスボーダー決済における実用性を損なう要因となっています。SBIグループは信託スキームを活用することで、この課題を解決し、ステーブルコインの本格的な活用を目指す考えです。

海外発行ステーブルコインにおける「100万円制限」の課題

リップルの米ドルステーブルコイン「RLUSD」、SBIが国内導入に向け100万円制限の回避を検討

現在、日本の規制下では海外発行のステーブルコイン(法定通貨等と価値が連動するように設計された暗号資産)に対して、1回あたりの売買や出庫に100万円までという制限が存在します。SBI VCトレードは国内で唯一、米ドル建てステーブルコインである「USDC」を取り扱っていますが、販売所での取引や外部への送付にはこの制限が適用されており、連続した取引も制限されています。

近藤氏は、ステーブルコインの主要な用途として期待されるクロスボーダー(国境を越えた)決済において、この制限が実用上の大きな障壁になっていると指摘しました。特に法人利用においては、100万円の制限がある状態では十分に機能しないとの認識を示しています。

信託スキームの活用による制限回避の可能性

SBIグループは、RLUSDを現行の規制枠内で「100万円制限を受けない方向」で取り扱うための検討を進めています。具体的には、グループ内のSBI新生信託銀行を活用し、いわゆる「信託型(3号電子決済手段)」として発行・流通させることで、この制限を打開する可能性があると見られています。

同グループは、日本円建てステーブルコイン「JPYSC」についても、100万円制限のない信託型での発行を計画しており、2026年4月から6月の提供を目指しています。RLUSDについても同様の仕組みを適用することで、大口の法人需要や効率的な決済手段としての活用を実現したい考えです。

ステーブルコイン普及に向けた制度面へのアプローチ

今回の発表は、ステーブルコインの社会実装に向けた制度面の課題を明確にしたものです。近藤氏は、ステーブルコイン、特に米ドル建てのものが国内でワークするためには、現行の制限をクリアする必要があると述べています。

SBIグループは、すでにUSDCのレンディング(貸出)サービスを開始するなど、国内におけるステーブルコイン市場の開拓を進めています。RLUSDの導入において制限回避が実現すれば、日本のWeb3ビジネスにおけるオンチェーン金融(ブロックチェーン上での金融取引)へのシフトがさらに加速する可能性があります。

ポイント

  • SBI VCトレードは、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の国内導入において、1回100万円の取引制限を回避する方針です。
  • 現行の規制では、海外発行ステーブルコインの取り扱いに金額制限があり、法人利用やクロスボーダー決済の妨げとなっています。
  • SBIグループは、SBI新生信託銀行を活用した「信託型(3号電子決済手段)」の枠組みを用いることで、制限のない取引環境の構築を検討しています。
  • 日本円建ての「JPYSC」でも同様の信託型スキームが計画されており、グループ全体でステーブルコインの実用化を推進しています。
  • この取り組みが実現すれば、国内における米ドル建てステーブルコインの利便性が大幅に向上し、ビジネス利用が拡大する可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta