ブロックチェーン・プロジェクトのThe Open Network(TON)は、2026年4月8日にメインネットバリデータ向けの必須アップデートとなるバージョン「v2026.04」をリリースしました。このアップデートは、ネットワークの耐スパム性の向上と、トランザクションの確定速度を大幅に短縮することを目的としています。特に新技術「Catchain 2.0」の導入により、1秒未満でのファイナリティ(決済確定)の実現を目指す点が、ネットワークの利便性向上において重要視されています。
ネットワーク保護のためのスパム対策を導入
今回のアップデートでは、外部からの過剰なメッセージ負荷からネットワークを保護するため、複数のプロトコルに対して重要なスパム対策が導入されました。対象となるのは、オーバーレイ、ADNL(TON独自のネットワーク通信プロトコル)、およびQUIC(高速なデータ転送を実現するトランスポート層プロトコル)です。これらの対策により、ネットワーク全体の安定性とセキュリティが強化されると見られます。
Catchain 2.0による決済の高速化
本リリースの主要な構成要素の一つが、Catchain 2.0(TONの合意形成アルゴリズムの最新版)の有効化です。これはブロックチェーンにおける「サブセカンド・ファイナリティ(1秒未満での決済確定)」の提供を目的とした技術です。バリデータはこの機能を完全に有効化するために、リリースノートに記載された特定のオンチェーン・コマンドを使用して投票を行う必要があります。決済速度の向上は、リアルタイム性が求められるWeb3サービスや決済ソリューションの基盤として、TONの競争力を高める要因になると考えられます。
アップデートの対象範囲と互換性
本アップデートはすべてのメインネットバリデータにとって必須となっていますが、ライトサーバー(Liteserver)やアーカイブノード(Archive node)への適用は必須ではありません。また、既存のTON IndexerやHTTP APIのバージョンとの互換性は維持されているため、開発者や周辺サービスへの直接的な影響は限定的であるとされています。バリデータ以外のノード運営者は、必要に応じて更新を検討する形となります。
ポイント
- 2026年4月8日にメインネットバリデータ向けの必須アップデートとして公開されました。
- Catchain 2.0の導入により、1秒未満での決済確定(サブセカンド・ファイナリティ)を目指しています。
- ADNLやQUICなどのプロトコルにスパム対策を施し、外部負荷への耐性を高めています。
- バリデータはオンチェーン投票を通じてCatchain 2.0の有効化を承認する必要があります。
- 既存のAPIやインデクサーとの互換性が保たれており、運用の継続性に配慮されています。