分散型貸付プロトコルのMorpho(モルフォ)は2026年4月8日、AIエージェントがプロトコルと直接対話するための専用インターフェース「Morpho Agents」のベータ版をローンチしました。この取り組みは、EthereumおよびBase上の分散型金融(DeFi)とAIの自律運用を統合する重要なステップとなります。自然言語による指示を通じて、AIが貸付や借入の戦略を自動で実行できる環境が整いつつあります。
AIエージェントに最適化された2つの主要コンポーネント
Morpho Agentsは、主に「User Agent」と「Builder Agent」の2つのツールで構成されています。これらは、人間向けに作成された従来のドキュメントではなく、AIが理解・実行しやすい「マシンアクセサブル(機械がアクセス可能)」なインターフェースとして設計されています。
- User Agent(CLIおよびMCPサーバー):
AIモデルが外部ツールと通信するための標準規格であるMCP(Model Context Protocol)サーバーを提供します。これにより、ClaudeやCursorといったAI環境から、Morpho上のデータ読み取り、シミュレーション、トランザクションの書き込みが可能になります。すべての取引は実行前にシミュレーションが行われ、安全性が確認される仕組みとなっています。
- Builder Agent(知識ベース):
プロトコルの仕組みやスマートコントラクトのアドレス、コード例などを集約した包括的な知識ベースです。コーディング支援AIがMorphoを既存のアプリケーションに統合する際、専門的な知識を持ったアシスタントとして機能し、開発効率を大幅に向上させます。
「AIエージェントによる金融」へのシフト
今回のリリースは、DeFiの利用主体が人間からAIエージェントへと広がりつつある業界の動向を背景としています。入力テキストによれば、2026年1月以降、13万以上のAIエージェントがオンチェーン・アイデンティティを登録しており、決済プロトコルに続く次のステップとして貸付(レンディング)への関心が高まっているとされています。
Morphoは、自社のプロトコルが「パーミッションレス(許可不要)」で「コンポーザブル(組み合わせ可能)」な特性を持つことから、AIエージェントとの相性が良いと説明しています。これまで数日を要していたプロトコルの統合作業が、AIエージェントを活用することで数分に短縮される可能性があり、金融インフラの自動化が加速すると見られます。
ポイント
- AI専用インターフェースの導入:従来の人間向けドキュメントを超え、AIが直接プロトコルを操作・統合できる環境を構築した点で注目されます。
- MCPの活用と安全性:Anthropicが提唱したMCP規格を採用し、実行前のシミュレーションを必須とすることで、AIによる自律運用の利便性と安全性を両立させています。
- 開発・運用の効率化:自然言語による指示で「Baseで最も収益率の高い金庫にUSDCを預ける」といった複雑な操作や、アプリへの統合コード生成が可能になります。
- Agentic DeFiの先駆け:オンチェーンで活動するAIエージェントが急増する中、貸付プロトコルとしていち早くAI対応を明文化したことで、今後のDeFi利用形態に影響を与える可能性があります。