トランプ大統領に関連するDeFi(分散型金融)プロジェクト「World Liberty Financial(以下、WLFI)」において、流動性プールからの大規模な資金移動が確認されました。プロジェクト側はこれを「設計通り」であると主張し、市場で囁かれている清算の懸念を強く否定しています。オンチェーンデータと公式発表の整合性が注目されており、Web3業界におけるプロジェクトの透明性と管理体制が問われる事案となっています。
オンチェーンデータが示す大規模な資金移動と清算への懸念
オンチェーンデータの分析により、WLFIの借入れ額が7,500万ドル(約115億円)に達し、そのうち4,000万ドル(約60億円)以上が暗号資産取引所Coinbaseの機関投資家向けサービス「Coinbase Prime」へ送金されたことが判明しました。
この動きを受け、市場ではプロジェクトの流動性不足や清算リスクを懸念する声が上がりましたが、WLFIはこれらの懸念を「FUD(恐怖・不安・疑念を煽る情報)」として退けています。同プロジェクトは、エコシステムのレンディングプラットフォームであるDolomite(ドロマイト)において主要な供給者かつ借入者として活動しており、必要に応じて追加の担保を供給できる体制にあると説明しています。
6,558万ドルのトークン買戻しと今後のガバナンス計画
WLFIは、過去6ヶ月間に約4億3,500万WLFIの買戻し(バイバック)を実施したことを明らかにしました。買戻し額は合計で6,558万ドル(約100億円)にのぼり、平均取得価格は0.1507ドルとされています。一連の資金移動や借入れは、意図的な設計に基づくものであると強調されています。
また、プロジェクト側は収益性の高さについても言及しており、USD1(プロジェクトに関連するステーブルコインと見られる)による年間収益は約1億6,000万ドルに達すると述べています。今後の展開として、初期投資家向けのトークンロック解除に関するガバナンス提案を近日中に公開する予定であるほか、ガス代(ネットワーク手数料)無料の転送機能の導入も公表されました。
ポイント
- World Liberty Financial(WLFI)が流動性プールからの資金引き出しを「設計通り」と説明し、清算リスクを否定した点
- オンチェーンデータにより、7,500万ドルの借入れと4,000万ドル以上のCoinbase Primeへの送金が確認された点
- 過去6ヶ月間で6,558万ドル相当の自社トークン買戻しを実施したと公表した点
- 初期投資家向けのトークンロック解除に関するガバナンス提案を近日中に予定している点
- 公式の説明とオンチェーン上の資金動態の乖離が、市場関係者の注目を集めている点