CircleがDrift Protocolの不正流出事件におけるUSDC凍結見送りの理由を説明

Circle社の最高戦略責任者(CSO)であるDante Disparte氏は、Drift Protocolで発生した約2億7500万ドルの不正流出事件に関連し、USDCの凍結を行わなかった理由について公式な見解を表明しました。この説明は、オンチェーン捜査官のZachXBT氏による批判を受けて行われたものです。ステーブルコイン発行体による資産凍結権限の行使基準を巡り、業界内で議論が深まっています。

資産凍結の判断基準と「法の支配」の強調

CircleがDrift Protocolの不正流出事件におけるUSDC凍結見送りの理由を説明

Circle社のCSOであるDante Disparte氏は、ブログ記事やSNSを通じ、USDCの凍結権限に関する同社の立場を表明しました。Disparte氏は、USDCの凍結は司法の要請や法執行機関による法的命令に基づいて行われるべきであるという考えを強調しています。

同氏は、SNS上での圧力や独自の判断による一方的な凍結を拒否する姿勢を示しており、これは「法の支配(Rule of Law)」に基づく対応であると説明されています。民間企業が法的手続きを経ずに独断で資産を差し押さえることは、ユーザーの権利侵害や法的リスクを招く可能性があるとの判断が背景にあると見られます。

事件の経緯とZachXBT氏による指摘

今回の議論のきっかけとなったのは、Solanaベースの分散型取引所(DEX)であるDrift Protocolから約2億7000万ドルから2億7500万ドルの資産が不正に流出した事件です。オンチェーン捜査官のZachXBT氏は、盗まれた資金がCircle社のクロスチェーン転送プロトコル(CCTP)を通じて移動していた際、同社が数時間にわたり凍結措置を講じなかったことを批判していました。

また、Circle社が同時期の別の民事訴訟に関連して16個のウォレットを迅速に凍結していた事実が報告されており、不正流出事件への対応との「一貫性」についても疑問が投げかけられています。これに対しCircle社側は、発行体としての裁量権の限界と、適切な法的手続きの重要性を改めて主張した形です。

リスク管理のあり方と業界への提言

Disparte氏は今回の事案を受け、DeFi(分散型金融)プロジェクト側での自衛策についても言及しています。具体的には、伝統的な金融市場で採用されている「サーキットブレーカー(異常な取引を検知した際に自動的に売買を停止する仕組み)」のようなリスク管理メカニズムをプロトコル層で導入することを推奨しました。

また、ステーブルコインに関する規制(GENIUS法やCLARITY法など)の早期整備が、将来的なセキュリティインシデントの防止や透明性の確保に不可欠であると訴えています。発行体による事後的な凍結に頼るのではなく、システム自体に堅牢なリスク制御を組み込むことが、Web3業界全体の安全性向上につながるとの考えを示しました。

ポイント

  • Circle社のCSOが、Drift Protocolの不正流出事件(約2億7500万ドル)においてUSDCの凍結を見送った正当性を説明しました。
  • 資産凍結の判断基準として、独自の判断ではなく「法的命令」を優先する「法の支配」の原則を強調しています。
  • オンチェーン捜査官ZachXBT氏による「対応が遅い」との批判に対し、発行体としての裁量権のあり方を示しました。
  • DeFiプロジェクトに対し、発行体に頼らない自衛策として「サーキットブレーカー」等の導入を提言しています。
  • ステーブルコインに関する法整備の重要性を訴えており、今後の規制動向が業界に与える影響が注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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