米暗号資産運用大手のグレースケール(Grayscale Investments)は、将来的な投資商品の提供に向けて検討中である「検討対象資産(Assets Under Consideration)」のリストを更新しました。2026年第2四半期に向けた今回の更新では、掲載銘柄を前四半期の36銘柄から30銘柄へと絞り込む一方、人工知能(AI)関連の銘柄を新たに追加し、消費者向けプロジェクトのカテゴリーをリストから除外しました。この動きは、機関投資家の関心がより実用的なインフラや最先端技術へとシフトしている可能性を示唆しています。
戦略的フォーカスをAIとインフラへ移行
グレースケールは四半期ごとに、同社の投資商品に組み入れる可能性がある暗号資産のリストを公開しています。今回の更新で最も注目されるのは、これまで含まれていた「消費者向け(Consumer & Culture)」カテゴリーに属するプロジェクトが、検討リストから一斉に削除された点です。
代わりに、同社はAI関連の銘柄を大幅に拡充しました。具体的には、ROBO、FLOCK、GRASS、KAITO、KITE、VVV、VIRTUAL、WLD(Worldcoin)といった銘柄のほか、Nous ResearchやPoseidonといったプロジェクトが新たに検討対象として浮上しています。これは、AIとブロックチェーンの融合によるデータ所有権や分散型コンピューティングへの期待を反映したものと見られます。
分散型金融(DeFi)とインフラ層の再編
DeFi(分散型金融)およびインフラ分野においても、より高度な技術や実用性を重視する傾向が強まっています。
DeFi分野では、実質的な利回り(Real Yield)の生成や高度な流動性システムを提供するプロジェクトが選定されています。具体的には、ENA(Ethena)、HYPE(Hyperliquid)、JUP(Jupiter)、KMNO(Kamino Finance)、SYRUP(Maple Finance)、MORPHO(Morpho)、PENDLE(Pendle)などがリストに名を連ねています。
また、スマートコントラクト・プラットフォームやインフラ層では、TONやTRX(Tron)、CELO、MNT(Mantle)、MON(Monad)などが重視されています。これらは、決済やステーブルコイン、ネットワークのスケーラビリティ(拡張性)を支える基盤として、長期的な成長が期待される領域です。
「検討対象資産」リストの定義と意義
グレースケールの「検討対象資産」リストは、現時点で同社の投資商品には含まれていないものの、将来的な採用の可能性がある候補として同社チームが特定した銘柄を指します。
このリストへの掲載は、必ずしも将来的な投資商品の組成を保証するものではありません。実際に商品化されるまでには、規制面での実現可能性、カストディ(資産保管)体制の整備、市場の流動性といった多角的な審査が必要となります。しかし、世界最大級の資産運用会社である同社の動向は、機関投資家がどの分野に注目しているかを知るための重要な指標として、業界内で高く評価されています。
ポイント
- 検討対象の銘柄数を36から30に削減し、投資候補の選別を強化しています。
- 消費者向けプロジェクト(Consumer & Culture)をリストから除外し、AI関連銘柄を大幅に拡充しました。
- DeFi分野では、実質的な利回りや高度な流動性管理を提供するプロジェクトが優先されています。
- TONやTRX、CELOといった基盤インフラやスケーラビリティに優れた銘柄を継続して評価しています。
- このリストは将来の投資商品化を保証するものではなく、規制や流動性の精査を経て判断されます。