ケニア財務省、仮想資産サービスプロバイダー規制案のパブリックコンサルテーションを完了

ケニア財務省は2026年4月11日、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に関する規制案のパブリックコンサルテーションを終了したと発表しました。この手続きの完了は、2025年に施行された仮想資産サービスプロバイダー法(VASP法)を具体的に運用するための重要な前進となります。同国は、デジタル資産セクターに対する正式な監督体制を構築することで、市場の透明性と消費者保護の強化を目指しています。

規制案の策定とパブリックコンサルテーションの終了

ケニア財務省、仮想資産サービスプロバイダー規制案のパブリックコンサルテーションを完了

ケニア財務省は、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)規制案について、投資家や開発者を含むステークホルダーからの意見募集を2026年4月10日に締め切り、翌11日にその完了を報告しました。この規制案は、財務省がケニア中央銀行(CBK)や資本市場庁(CMA)と連携したマルチエージェンシー・タスクフォースを通じて策定したものです。

今回のプロセスは、2025年11月4日に施行されたVASP法を実効性のあるものにするための最終段階と見られています。パブリックコンサルテーションの終了により、当局は提出された意見を反映させた最終的な規制の施行に向けた準備に入ります。

事業者に求められる要件とステーブルコイン規制

新たに導入される規制案では、ケニア国内で仮想資産サービスを提供するすべての事業体に対してライセンスの取得が義務付けられます。ライセンス取得にあたっては、ガバナンス体制の整備、資本の適切性、顧客資産の分別管理、監査済みの財務諸表の提出などが厳格に評価されることになります。

また、ステーブルコイン(法定通貨等と価値が連動するように設計された仮想通貨)の発行体に対しては、特定の準備金維持ルールが設けられる見通しです。具体的には、受け取った資金の少なくとも30%をケニア国内の商業銀行の分別口座で保持し、残りの70%を国内の高品質な流動資産で運用することが求められるとされています。さらに、匿名性を高めるミキシングサービス等の利用禁止や、取引ベースの課税(プラットフォーム手数料への10%の物品税など)も含まれています。

規制導入の背景とFATFグレーリストへの対応

ケニアが仮想資産の規制整備を急ぐ背景には、国際的な金融基準への適応があります。同国は2024年2月、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策の不備を理由に、金融活動作業部会(FATF)の「グレーリスト(監視対象国リスト)」に追加されました。

FATFはケニアに対し、VASPのライセンス供与と監督のための法的枠組みの導入を求めており、今回の規制整備はこの課題を解決するための直接的な対応とされています。長年、法的グレーゾーンにあったケニアの仮想通貨市場ですが、2023年のデジタル資産税導入を経て、現在は包括的な法的枠組みによる正式な監督下への移行が進んでいます。

ポイント

  • ケニア財務省が2026年4月11日にVASP規制案のパブリックコンサルテーション終了を発表しました。
  • 2025年11月施行のVASP法を具体化し、デジタル資産事業者のライセンス取得を義務付ける内容です。
  • ステーブルコイン発行体に対し、準備金の30%を国内銀行で保持することを求めるなど、厳格な資産管理ルールが盛り込まれています。
  • FATFのグレーリストから脱却し、国際的な金融基準に準拠した市場を構築する狙いがあります。
  • 従来のデジタル資産税(3%)に代わり、サービス手数料に対する10%の物品税が導入されるなど、ビジネス環境の明確化が進んでいます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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