ドナルド・トランプ氏が支援する仮想通貨プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」が、同プロジェクトの筆頭投資家であるジャスティン・サン氏との間で深刻な法的紛争に発展しました。サン氏がWLFIのトークンコントラクト内に「隠された凍結機能」が存在すると告発したのに対し、プロジェクト側はこれを否定し、法廷での決着を求めています。かつての協力関係から一転したこの事態は、プロジェクトの透明性やガバナンスに対する懸念を強めています。
筆頭投資家との法的対立と関係の悪化
World Liberty Financialは、2024年11月に3,000万ドル(約46億円)の出資を行った筆頭投資家に対し、法廷で争う姿勢を鮮明にしました。この投資家はトロン(TRON)の創設者であるジャスティン・サン氏であり、同氏による投資総額は最終的に7,500万ドルに達したとされています。両者の関係は、サン氏がWLFIのトークンコントラクトに、投資家に開示されていない資産凍結機能が組み込まれていると公に批判したことで急速に悪化しました。サン氏は自身を「プロジェクトによるブラックリスト運用の最初の被害者」と表現しており、同氏に関連するウォレットが制限を受け、多額のトークンが移動不能になっていると見られています。
凍結機能を巡る技術的疑念とプロジェクト側の反論
紛争の中心となっているのは、WLFIのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動実行する仕組み)に備わっているとされる機能です。サン氏は、運営側が特定の保有者の資産を通知や救済措置なしに一方的に凍結、あるいは制限できる仕組みが隠されていると主張しています。これに対しWLFI側は、サン氏の主張には根拠がなく、自身の不適切な行為を隠蔽するためのものだと反論しました。プロジェクト側は公式にサン氏を法廷へ呼び出す姿勢を見せ、告発を全面的に否定しています。この対立の背景には、WLFIが特定のレンディングプロトコル(貸付プラットフォーム)を利用して2億9,200万ドル相当の借入を行っていることへの不透明さも指摘されており、技術的な仕様と運用の透明性を巡る議論が続いています。
ポイント
- 2024年11月に3,000万ドルを出資した筆頭投資家ジャスティン・サン氏とWLFIが法的対立に発展しました。
- サン氏は、WLFIのスマートコントラクトに一方的な資産凍結を可能にする「隠された機能」があると主張しています。
- WLFI側はサン氏の告発を根拠のないものとして否定し、法廷で争う姿勢を示しています。
- この紛争の影響を受け、WLFIトークンの価格は過去最高値から74パーセント以上下落し、過去最安値を記録したと報じられています。
- 著名なプロジェクトにおける運営側と大口投資家の決裂は、Web3業界における中央集権的な管理リスクと透明性の重要性を再認識させています。