2025年におけるステーブルコインの年間決済総額が33兆ドルに達し、クレジットカード大手Visaの年間決済ボリュームの約2倍という規模を記録しました。数十年にわたり銀行間の資金移動を担ってきた従来のコルレス銀行(他行の口座を通じて決済を行う銀行)の仕組みに対し、ステーブルコインが新たな決済レイヤーとして定着しつつあります。JPモルガンやVisaといった大手金融機関による具体的な活用も始まっており、金融業界の構造的な変化が示されています。
決済インフラの変容とステーブルコインの台頭
従来の金融システムにおける機関投資家間の決済は、コルレス銀行を通じた仕組みが主流でした。この手法では送金に1日から3日程度の時間を要し、週末は稼働しないといった時間的な制約がありましたが、ステーブルコインはこの制約を解消する手段として注目されています。2025年の1年間でステーブルコインが移動させた資金は33兆ドルに上り、これはVisaの決済ボリュームを大きく上回る規模となっています。この成長は、単なる投機目的から、実体経済における資金移動の手段へとステーブルコインの役割がシフトしていることを示唆しています。
大手金融機関によるパブリックブロックチェーンの活用
これまで多くの金融機関はプライベートなネットワークでの実験に留まっていましたが、2025年にはパブリックブロックチェーン(誰でも参加可能な分散型ネットワーク)を利用した実務的な決済が行われました。JPモルガンは、Solana(高い処理能力を持つブロックチェーン)上でUSDC(米ドルと連動するステーブルコイン)を用い、債務の決済を実施しました。また、Visaも35億ドルのUSDC決済を行っており、大手決済ネットワークがステーブルコインを自社の基盤に統合し始めています。これにより、従来の銀行システムでは困難だった24時間365日の即時決済が可能になり、企業の財務管理や調達業務における効率化が進むと見られています。
ポイント
- 2025年のステーブルコイン決済総額が33兆ドルに達し、Visaの年間決済額の約2倍を記録した点。
- 従来の銀行間決済で課題だった「1〜3日の送金時間」や「週末の休止」を、24時間稼働のブロックチェーンが解消している点。
- JPモルガンがSolana上でUSDCを用いた債務決済を実施するなど、パブリックブロックチェーンへの移行が進んでいる点。
- Visaが35億ドル規模のUSDC決済を行うなど、大手決済インフラによるステーブルコインの本格的な採用が始まっている点。