米Circle社のジェレミー・アレールCEOは、イランがホルムズ海峡で検討しているとされる「仮想通貨による通行料徴収」に同社のステーブルコイン「USDC」が利用される懸念について、その可能性は低いとの見解を示しました。2026年4月13日午後にソウルで開催された記者会見で述べたものです。主要なステーブルコイン発行体のトップが、地政学的なリスクに対するコンプライアンス姿勢を改めて明確にした形です。
ソウルでの記者会見で懸念を払拭
Circle社のジェレミー・アレールCEOは、韓国訪問中の4月13日午後、ソウル市内で記者会見を行いました。この中で、イランがホルムズ海峡を通過する船舶に対して課すと報じられている仮想通貨通行料に、USDCが利用される可能性についての質問に対し、否定的な見解を示しました。
アレールCEOは、USDCがこうした目的で利用されることは考えにくいと述べています。背景には、USDCが米国法の影響下にあり、制裁対象となる主体による利用に対しては資産の凍結などの措置を講じることが可能な仕組み(スマートコントラクト・レベルでのブラックリスト機能)を備えていることが指摘されています。
ホルムズ海峡における「仮想通貨通行料」の背景
イラン政府は、世界の石油・液化天然ガスの約20%が通過する重要航路であるホルムズ海峡において、船舶から仮想通貨で通行料を徴収する計画を検討しているとされています。一部の報道では、原油1バレルあたり1ドル相当のビットコインやステーブルコインを支払う仕組みが議論されていると伝えられていました。
今回のCEOによる発言は、米国の規制に準拠したデジタルドルであるUSDCが、国際的な制裁を回避する手段として利用されることへの懸念を公式に否定したものと見られます。
韓国訪問の目的と国内金融機関との連携
アレールCEOは今週、韓国を訪問しており、国内の主要銀行や暗号資産交換業者との会合を予定しています。具体的には、KB国民銀行、新韓銀行、ハナ銀行といった大手金融グループのほか、Upbit(アップビット)、Bithumb(ビッサム)、Coinone(コインワン)などの主要取引所の幹部と面会する見通しです。
今回の訪問では、韓国市場におけるUSDCの採用拡大や、国際決済分野での協力、さらには韓国ウォン建てステーブルコインの可能性についても協議されるとされています。韓国国内ではUSDCの取引量が増加傾向にあり、法整備が進む中でCircle社は現地パートナーとの連携を強化する方針です。
ポイント
- Circle社のジェレミー・アレールCEOが、ソウルでの記者会見でUSDCの不正利用に対する懸念を否定しました。
- イランがホルムズ海峡の通行料としてUSDCを利用する可能性について「極めて低い」との認識を示しています。
- USDCは米国の規制に準拠しており、制裁対象に関連する不正な取引を制限できる技術的特性を持っていることが背景にあります。
- アレールCEOは韓国滞在中、大手銀行や取引所とステーブルコインの活用やインフラ整備について協議を行う予定です。
- 地政学的な緊張の中で、ステーブルコイン発行体が規制遵守と透明性を強調した事例として注目されます。