トランプ一族が関与するビットコインマイニング・トレジャリー企業のAmerican Bitcoin(アメリカン・ビットコイン)は、カナダ・アルバータ州の拠点で新たに1万1298台のマイニング機器の稼働を開始しました。今回の稼働開始は、同社が以前から進めていた設備拡張計画の完了を意味するものです。ビットコイン価格の下落による財務的な影響を受けつつも、同社はマイニング能力の増強とビットコインの蓄積を加速させています。
カナダ拠点での設備拡張とマイニング効率の向上
American Bitcoinは2026年4月22日、カナダ・アルバータ州ドラムヘラーにある施設において、今年初めに購入した約1万1298台のマイニング機器の運用を開始したと発表しました。この機器のエネルギー効率は約13.5J/TH(ジュール・パー・テラハッシュ)とされています。J/THは、一定の計算量あたりに消費されるエネルギー量を示す単位で、この数値が低いほどマイニングの効率が高いことを意味します。
今回の追加稼働により、同社が保有するマイニング機器は合計で約8万9242台となりました。これに伴い、同社の総ハッシュレート(採掘速度)は約28.1EH/s(エクサハッシュ・パー・セカンド)に達しています。ハッシュレートとは、ビットコインのマイニングにおける計算能力の測定単位であり、この数値の向上はネットワーク内での競争力の強化に直結します。同社の共同創業者兼最高戦略責任者であるエリック・トランプ氏は、ハッシュレートの拡大をビットコイン市場における自社の地位を強化するための重要な手段と位置づけています。
純損失を計上しつつも継続されるビットコイン蓄積戦略
American Bitcoinは、直近の財務状況において課題を抱えています。2026年2月に発表された2025年通期の決算では、ビットコイン価格の下落が主な要因となり、1億5320万ドル(約237億4600万円、1ドル155円換算)の純損失を計上しました。しかし、こうした財務状況下においても、同社はビットコインを継続的に蓄積する方針を維持しています。
2026年3月30日時点で、同社のビットコイン保有量は7000BTCに到達したことが公表されています。これは、2025年9月にナスダック市場へ上場して以来、約3倍の増加となります。また、2026年3月時点の報告によれば、同社のビットコイン保有量はGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)を上回る規模に達しているとされています。今回のマイニング設備の拡張は、機関投資家規模でのビットコインエクスポージャー(資産の価格変動にさらされる割合)を効率的に拡大させるという、同社の経営戦略を具現化したものと見られます。
ポイント
- カナダ・アルバータ州ドラムヘラーの拠点で、新たに1万1298台のマイニング機器が稼働を開始しました。
- 同社の総ハッシュレートは約28.1EH/sに達し、ビットコインネットワークにおける採掘競争力が強化されています。
- 2025年通期で約1.5億ドルの純損失を計上したものの、ビットコインの蓄積を優先する戦略を継続しています。
- ビットコイン保有量は7000BTCに達しており、2025年9月の上場時から約3倍に拡大しています。
- 今回の稼働開始により、2026年3月に発表された設備拡張計画が完了したことになります。