米ナスダック(Nasdaq)に上場するTron Inc.(ティッカー:TRON)が、自社エコシステムのネイティブトークンであるTRON(TRX)の継続的な買い増しを実施しています。直近の購入により、同社の財務資産(トレジャリー)としてのTRX保有量は6億9300万枚を超えました。創設者のジャスティン・サン氏は、今後もこの蓄積戦略を継続する姿勢を強調しており、上場企業による仮想通貨保有の新たな事例として注目されています。
継続的な買い増しと財務資産の拡大
Tron Inc.は2026年4月24日、新たに152,162 TRXを平均価格0.3286ドルで買い増したことを明らかにしました。この購入により、同社のコーポレート・トレジャリー(企業財務)におけるTRXの総保有量は6億9,300万枚を上回っています。
同社は「Tron DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)」と呼ぶ戦略を掲げており、長期的な株主価値の向上を目指してTRXの保有量を着々と増やしています。今回の買い増しを受け、ジャスティン・サン氏は自身のSNSアカウントを通じて「Keep going(継続する)」というメッセージを発信し、蓄積の手を緩めない方針を示しました。
マイクロストラテジー型モデルの採用
Tron Inc.の戦略は、ビットコインを大量に保有する米マイクロストラテジー(MicroStrategy)社のモデルを参考にしているとされています。これは、上場企業が自社のバランスシートに特定の暗号資産を組み入れることで、投資家に対して株式を通じてその資産へのエクスポージャー(投資機会)を提供する仕組みです。
同社は2026年に入り、ほぼ毎日5万ドル相当のTRXを購入するという規律ある蓄積プログラムを実行しています。これにより、投資家は直接トークンを保有・管理することなく、ナスダック市場を通じてTRONエコシステムの成長に関連する投資を行うことが可能になるとされています。
企業の背景と今後の展望
Tron Inc.は、2025年7月にテーマパーク関連商品の製造を行っていたSRM Entertainmentが、逆買収(リバースマージン)を経てリブランドした企業です。現在はブロックチェーン・インフラ企業へと転換し、ジャスティン・サン氏が戦略アドバイザーを務めています。
同社は、TRONネットワークにおけるトランザクションの増加やステーブルコイン決済の拡大を背景に、TRXの保有が将来的な企業価値の源泉になると見込んでいます。2025年12月には、サン氏がBlack Anthem Limitedを通じて1,800万ドルの戦略的投資を行うなど、エコシステムと上場企業の連携を強める動きが続いています。
ポイント
- Tron Inc.が152,162 TRXを買い増し、総保有量が6億9,300万枚を突破しました。
- ナスダック上場企業として、TRXの最大保有者としての地位を固めています。
- マイクロストラテジー社に似た財務戦略を採用し、株主に対してTRXへの投資機会を提供しています。
- ジャスティン・サン氏は、今後もTRXの蓄積を継続することを明言しています。
- 伝統的な株式市場とWeb3エコシステムを繋ぐ、戦略的な財務管理の事例として注目されます。