Metaがコロンビアとフィリピンでステーブルコイン報酬支払いを開始、SolanaとPolygonを活用

米テック大手のMeta社が、コロンビアとフィリピンの選定されたクリエイターを対象に、ステーブルコインによる報酬支払いの試験運用を開始しました。かつての独自通貨プロジェクトからの撤退を経て、既存のパブリックチェーンとステーブルコインを活用する形で決済分野へ慎重に再参入しています。この動きは、国境を越えた支払いの効率化を目指す実用的な取り組みとして注目されています。

支払いの仕組みと対象範囲

Metaがコロンビアとフィリピンでステーブルコイン報酬支払いを開始、SolanaとPolygonを活用

Metaは、Facebookなどのプラットフォームにおいて、特定のクリエイターが報酬をステーブルコインで受け取れる機能を導入しました。この機能は現在、コロンビアとフィリピンの限定されたグループのみが利用可能です。

報酬として支払われるのは、米ドルと価値が連動するステーブルコインであるUSDCです。決済インフラには、高速な処理能力を持つSolana(ソラナ)およびPolygon(ポリゴン)のネットワークが採用されていると報じられています。クリエイターは、Metaの支払い設定にMetaMask(メタマスク)やPhantom(ファントム)といった対応する外部の暗号資産ウォレットを接続することで、直接USDCを受け取ることができます。

また、この決済システムのバックエンドでは、決済サービス大手のStripe(ストライプ)が提携パートナーとして関与し、支払い処理や税務報告などのインフラを支援しているとされています。

過去の挫折と新戦略への転換

今回の取り組みは、Metaにとってステーブルコイン分野への重要な再参入を意味します。同社は以前、「Libra(リブラ)」や「Diem(ディエム)」といった大規模な独自ステーブルコインプロジェクトを推進していましたが、規制当局からの強い反対などを受け、2022年に事業を断念した経緯があります。

かつての計画が自社で通貨を発行することを目指していたのに対し、今回はCircle(サークル)社が発行する既存のUSDCと、既存のパブリックブロックチェーンを活用するアプローチをとっています。これにより、独自の通貨を発行することによる規制上の摩擦を避けつつ、ブロックチェーン技術による決済の高速化と低コスト化を図る狙いがあると見られます。

クリエイターエコノミーへの影響と利便性

特にコロンビアやフィリピンといった市場では、従来の銀行送金による国際支払いは手数料が高く、着金までに数日を要することが課題となっていました。ステーブルコインを活用することで、国境を越えた報酬の支払いを数分単位で完了させ、送金コストを大幅に削減できる可能性があります。

なお、Meta自身はUSDCから法定通貨への換金サービス(オフランプ)は提供していません。そのため、報酬を受け取ったクリエイターが現地通貨を手にするには、各自で外部の暗号資産取引所などを利用して換金を行う必要があります。この試験運用は、ステーブルコインが単なる投資対象ではなく、Web3時代の主要なプラットフォームにおける実用的な決済インフラとして機能するかを検証する重要な事例になると見られます。

ポイント

  • コロンビアとフィリピンの選定されたクリエイターを対象に、USDCによる報酬支払いを開始しました。
  • 決済ネットワークとしてSolanaおよびPolygonを採用し、既存のWeb3インフラを最大限に活用しています。
  • 独自通貨の発行を断念した過去の経緯を踏まえ、規制に配慮した実用的かつ慎重な再参入と見られます。
  • 国際送金のコスト削減とスピード向上により、クリエイターの収益環境を改善する効果が期待されます。
  • 決済大手のStripeがインフラ面で協力しており、プラットフォーム決済の裏側でブロックチェーンが一般化する兆しとして注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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