米上院銀行委員会は、デジタル資産市場の規制枠組みを定める「2025年デジタル資産市場透明化法(Digital Asset Market Clarity Act of 2025:通称CLARITY Act)」の新たな草案を公開しました。今回の草案は309ページに及び、2026年1月に公開された278ページの草案から内容が拡充されています。今週木曜日に予定されている重要なマークアップ(法案の逐条審査・修正)の採決を前に、法案の具体化が進んでいます。
採決に向けたスケジュールと修正案の提出期限
公開された309ページの草案は、1月時点のドラフトから31ページ追加されており、これまでの交渉結果を反映したものと見られます。上院銀行委員会のメンバーには、東部標準時5月13日午前10時30分に開始される行政セッション(Executive Session)の前に、修正案を提出する期限が設けられています。
この手続きを経て、5月14日(木)には委員会によるマークアップ採決が行われる予定です。この採決は、法案が上院の本会議へ進むかどうかの重要な分岐点となります。
法案の主な内容と規制の方向性
CLARITY Actは、長年続いてきた米国のデジタル資産規制における不透明さを解消することを目的としています。主な内容として、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄権を明確に分けることが含まれています。具体的には、新規のトークン販売についてはSECが、二次市場での取引についてはCFTCが監督する体制が想定されています。
また、最新の草案にはステーブルコインの利回りに関する妥協案(Tillis-Alsobrooks妥協案)が盛り込まれています。これによると、ステーブルコインの保有に対して銀行の預金利息のようなパッシブな利回りを付与することは禁止されますが、決済や送金などのアクティブな活動に応じた報酬は認められる方針です。
業界への影響と保護規定
今回の草案では、特定の条件を満たす主要な暗号資産の法的地位を固定する条項が含まれているとされています。2026年1月1日時点で現物ETF(上場投資信託)の対象資産となっているトークンについては、将来的な規制当局の判断変更に関わらず、永久に「非証券」として扱う方針が示されています。
さらに、ソフトウェア開発者やインフラ提供者の保護も強化されています。オープンソースコードの記述自体を金融仲介業務とはみなさないとする「ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)」の考え方が取り入れられており、開発者が不当な規制対象となるリスクを軽減する狙いがあります。ステーキング活動についても、セルフステーキングや取引所が提供するステーキングサービスを証券規制の対象外とする規定が設けられています。
ポイント
- 米上院銀行委員会が309ページの「CLARITY Act」修正草案を公開し、1月時点の278ページから内容を拡充しました。
- 5月14日(木)に委員会のマークアップ採決が予定されており、法案成立に向けた重要な局面を迎えています。
- SECが新規販売、CFTCが二次市場を管轄する体制を構築し、規制の二重性を解消する狙いがあります。
- ステーブルコインの利回り制限や、特定の主要トークンに対する永久的な非証券格付けなど、具体的な運用ルールが盛り込まれました。
- ソフトウェア開発者やステーキング参加者に対する法的保護が明文化され、イノベーションの促進が図られています。