株式会社メタプラネットは、2026年度第1四半期(2026年3月期)の決算において、1,145億円(約7億2,500万ドル)の純損失を記録しました。この損失は、同社が財務資産として保有するビットコイン(BTC)の会計上の評価損によるものです。同期のビットコイン価格が約22%下落したことが財務諸表に大きな影響を与えた一方で、本業の収益性は大幅に向上しています。
ビットコイン価格の下落に伴う会計上の評価損
メタプラネットの2026年度第1四半期における大幅な純損失は、保有するビットコインの時価評価による影響を強く受けています。2026年第1四半期のビットコイン市場は、2018年以来で最悪のパフォーマンスを記録し、価格は約22%から24%下落しました。
日本の会計基準では、期末時点の市場価格に基づいて保有資産を評価する「マーク・トゥ・マーケット(時価評価)」が適用されるため、1,164億円(約7億3,700万ドル)という多額の非現金性の評価損が発生しました。しかし、これは売却による確定した損失ではなく、あくまで会計上の数値であると同社は説明しています。
営業利益は前年同期比で大幅増
会計上の純損失とは対照的に、同社の事業実態を示す営業成績は極めて堅調に推移しています。売上高は前年同期比251%増の30.8億円(約1,950万ドル)、営業利益は283%増の22.7億円(約1,440万ドル)に達しました。
この成長を牽引したのは、ビットコインのオプション収入やデリバティブ評価益を含む「ビットコイン・インカム・ジェネレーション」事業です。本業の営業利益率は約73.6%と高い水準を維持しており、ビットコインを活用した収益化戦略が成果を上げていることが示されています。
国内トップのビットコイン保有量と今後の戦略
メタプラネットのビットコイン保有量は、2026年3月末時点で40,177 BTC(約32億ドル相当)に達しました。これは、日本国内の上場企業が保有するビットコインの約87%を占める規模であり、米国外の上場企業としては最大級の保有量となります。
同社は独自の指標として、発行済株式数に対するビットコイン保有量の増加率を示す「BTCイールド(BTC Yield)」を導入しており、今期は2.8%を記録しました。これは、新株発行による資金調達を行いながらも、1株あたりのビットコイン裏付け価値を向上させていることを意味します。同社は2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTCの保有を目指すという積極的な積み増し方針を継続しています。
ポイント
- 2026年度第1四半期の純損失は1,145億円(約7億2,500万ドル)。
- 損失の主因は、ビットコイン価格の約22%下落に伴う非現金性の会計評価損(1,164億円)。
- 営業利益は前年同期比283%増の22.7億円と大幅に成長し、収益性の高さが示された。
- ビットコイン保有残高は40,177 BTCに到達し、国内上場企業の保有分で約87%のシェアを獲得。
- 企業の財務戦略としてビットコインを採用する場合、市場のボラティリティ(価格変動)が純利益に与える影響の大きさを象徴する事例となった。