米国で提供されているビットコイン現物ETF(上場投資信託)は、5月13日に合計で6億3523万ドルの純流出を記録しました。これは1月29日以来、約3ヶ月半ぶりの規模となる単一日の流出額です。ビットコインETFへの資金流入はこれまで6週間にわたってプラスを維持してきましたが、今週に入り2日連続で流出が続いており、継続的な流入傾向が途切れる可能性が出ています。
ビットコインETFの流出状況と主要ファンドの動き
5月13日の大幅な資金流出は、市場における投資家心理の変化を示唆しています。SoSoValueのデータによると、今回の流出額である6億3523万ドルは、過去数ヶ月の中でも際立った規模となっています。
具体的なファンド別では、ブラックロックが提供するIBIT(iShares Bitcoin Trust)から約2億8500万ドル、アーク・インベストと21シェアーズによるARKBから約1億7700万ドルの資金が流出したとされています。これまで市場を牽引してきた主要なETFから資金が引き揚げられたことで、直近6週間にわたって続いていた週次ベースでのプラス流入(合計約34億ドル)が、今週はマイナスに転じる懸念が高まっています。
アルトコイン市場への資金流入とSolanaの堅調さ
ビットコインやイーサリアムのETFから資金が流出する一方で、特定のアルトコイン関連の投資商品には引き続き資金が流入しています。
特にSolana(ソラナ)の関連ファンドは堅調に推移しており、5月に入ってから一度も流出を記録していません。5月のこれまでの8セッションで合計約9083万ドルの流入を記録しており、ビットコインETFとは対照的な動きを見せています。また、5月12日に取引が開始された21シェアーズのHyperliquid(HYPE)ETFも、上場から2日間で約252万ドルの流入を記録するなど、新しい投資商品への関心も維持されています。
これに対し、イーサリアム(ETH)関連のファンドは3日連続で流出を記録しており、5月13日には約3630万ドルが引き出されました。XRPやドージコイン(DOGE)などの他のアルトコインETFは、資金の動きが停滞、あるいは限定的な流入に留まっています。
市場背景と今後の影響
今回のビットコインETFからの大幅な流出の背景には、米国の経済状況への懸念があると見られています。具体的には、米国の消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、インフレへの警戒感が強まったことが、投資家のリスク回避姿勢を強めた可能性があります。
ビットコインの価格が8万ドル付近で推移する中、これまでETFへの流入が価格上昇の大きな原動力となってきました。そのため、ETFからの資金流出が継続するかどうかは、今後のビットコイン価格の安定性や、機関投資家のWeb3市場に対するスタンスを判断する上で重要な指標となります。一方で、Solanaのような特定のアルトコインへの資金シフトが見られる点は、投資家の関心がビットコイン一辺倒から、より多様なエコシステムへと分散し始めている兆候とも捉えられます。
ポイント
1月29日以来最大となる約6億3500万ドルの純流出がビットコイン現物ETFで発生しました。
ブラックロックのIBITなど、これまで市場を支えてきた主要ファンドから多額の資金が引き揚げられています。
Solana関連の投資商品は5月に入り一度も流出を記録しておらず、ビットコインとは対照的な強さを見せています。
米国のインフレ懸念(CPIデータ)などのマクロ経済要因が、ETF投資家の行動に影響を与えたと見られます。
6週間続いていた週次ベースのプラス流入が途切れる可能性があり、今後の機関投資家の動向が注目されます。