フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラルは2026年5月13日、ユーロ建てステーブルコイン「EUR CoinVertible(EURCV)」と米ドル建てステーブルコイン「USD CoinVertible(USDCV)」を、機関投資家向けブロックチェーン基盤であるCanton Network(カントン・ネットワーク)に展開すると発表しました。これらのステーブルコインは、同社のデジタル資産子会社であるSG-FORGEが発行し、欧州の暗号資産市場規則(MiCA)に準拠しています。今回の取り組みは、トークン化された資産の担保管理やオンチェーン金融、機関投資家向けのデジタル決済ソリューションの開発を加速させることを目的としています。
機関投資家向け金融インフラの構築とCanton Networkの役割
ソシエテ・ジェネラルは、カントン・ネットワークにおいて「エコシステム・スーパー・バリデータ(Ecosystem Super Validator)」として参加します。カントン・ネットワークは、金融機関がプライバシーと規制準拠を維持しながら相互運用を可能にするために設計されたブロックチェーンネットワークです。
同行は、このネットワーク上でトークン化された担保の移動、証拠金管理、レポ融資、トークン化決済といった機関投資家向けのユースケースを発展させる姿勢を示しています。将来的には、特定のトークン化資産を適格担保として受け入れることで、機関投資家の流動性と運用効率を高める計画です。また、レポ取引(債券を担保にした資金調達)の相手方として機能することで、オンチェーン金融市場の発展を支援する意向も明らかにしています。
SG-FORGEによるマルチチェーン展開の進展
今回のカントン・ネットワークへの展開は、SG-FORGEが推進するマルチチェーン戦略の一環です。EURCVとUSDCVは、すでに複数の主要なブロックチェーン上で運用されています。
EURCVは、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、XRPレジャー(XRP Ledger)、ステラ(Stellar)の各ネットワークに展開されています。一方、USDCVはイーサリアムとソラナに対応しており、2026年4月にはセルフカストディ型ウォレットであるMetaMask(メタマスク)との統合も発表されました。
ソシエテ・ジェネラルは、2025年11月に米国初となるトークン化債券の発行をカントン・ネットワーク上で行っており、今回のステーブルコイン展開はその実績を基盤としたさらなるインフラ拡張と位置付けられます。
ポイント
- ソシエテ・ジェネラルが、MiCA準拠のステーブルコインEURCVとUSDCVをCanton Networkに展開しました。
- 機関投資家向けのトークン化担保移動やレポ融資、デジタル決済ソリューションの基盤構築を目指しています。
- 同行はCanton Networkの「エコシステム・スーパー・バリデータ」として、ネットワークの運営とユースケースの発展に貢献します。
- 2025年11月のトークン化債券発行に続く取り組みであり、伝統的金融機関によるオンチェーン金融インフラの拡充が進んでいます。
- EURCVとUSDCVは、イーサリアムやソラナを含む複数のチェーンで展開されており、広範な相互運用性の確保が図られています。