IREN、AIクラウド事業拡大に向け約4700億円の転換社債発行を完了

IREN、AIクラウド事業拡大に向け約4700億円の転換社債発行を完了

ビットコインマイニングからAI(人工知能)クラウドインフラ事業への転換を進めるIREN(アイレン)は、30億ドル(約4700億円)規模の転換社債発行を完了しました。今回の資金調達は、同社が推進するAIデータセンターの拡充や、垂直統合型のAIクラウド事業を加速させるための重要な資金基盤となります。マイニング企業の保有する電力資産やデータセンターをAI分野へ転用する業界の動向を象徴する大規模な事例として注目されます。

資金調達の概要と財務戦略

IREN、AIクラウド事業拡大に向け約4700億円の転換社債発行を完了

IRENは、当初26億ドルを予定していた転換社債の発行額を、4億ドルの追加発行枠の全額行使により30億ドルまで拡大しました。この社債は、適格機関投資家を対象とした私募(Rule 144A)として販売され、2033年に満期を迎えます。利率は1.00%、転換プレミアムは32.5%に設定されました。

今回の調達において同社は、約2億130万ドルを「キャップドコール」と呼ばれる取引に充てています。これは、社債が株式に転換される際の株式希薄化や、現金支払いの負担を一定の範囲まで抑制することを目的とした手法です。この取引の上限価格は1株110.30ドルに設定されており、基準となった5月11日の終値(55.15ドル)に対して100%のプレミアムとなっています。ただし、株価がこの上限を超えた場合には、希薄化等の影響が発生する可能性があるとされています。

AIクラウドインフラへの事業転換と戦略的提携

IRENは現在、ビットコインマイニングで培った基盤を活かし、AIクラウドインフラ企業への転換を強力に推進しています。今回の調達資金の多くは、大規模なデータセンターの建設、GPU(画像処理装置)クラスターの構築、および再生可能エネルギーが豊富な地域における電力資産の活用に充てられる見通しです。

同社の事業拡大を裏付ける背景として、大手テック企業との提携が挙げられます。2025年11月には、Microsoft(マイクロソフト)との間で97億ドル規模のAIクラウドホスティング契約を締結しました。さらに2026年5月初旬には、Nvidia(エヌビディア)と提携し、最大5ギガワットのAIデータセンター容量を世界規模で展開する戦略を発表しています。これらの提携に基づき、同社は再生可能エネルギーと高度なコンピューティング資源を統合した、垂直統合型のAIクラウド事業の確立を目指しています。

ポイント

  • IRENが30億ドル(約4700億円)の転換社債発行を完了し、AIクラウド事業の拡大資金を確保しました。
  • 調達資金は、AIデータセンターの構築やGPUクラスターの拡充、運転資金などに充てられる予定です。
  • Microsoftとの97億ドル規模の契約やNvidiaとの戦略的提携など、大手テック企業との連携が事業の軸となっています。
  • キャップドコール取引の導入により、将来的な株式の希薄化を抑制する財務措置を講じています。
  • ビットコインマイニング企業が保有する電力インフラをAI分野へ転換する、業界の大きな潮流を反映した動きといえます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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