マイケル・セイラー氏が率いるStrategy(ストラテジー)社は、2026年5月11日から17日にかけて約20億1000万ドル相当のビットコイン(BTC)を追加購入したことを発表しました。この最新の購入により、同社の総保有量はビットコインの総供給量2100万枚の4%を超える水準に達しています。一方で、同社は負債の買い戻し資金としてビットコインの売却を示唆する新たな方針も明らかにしており、これまでの蓄積一辺倒の戦略に変化の兆しが見られます。
20億ドル規模の追加購入と4%の節目到達
Strategy社が米国証券取引委員会(SEC)へ提出した書類によると、同社は1週間で2万4869BTCを平均価格8万985ドルで取得しました。これは同社にとって今年2番目に大きな週間購入規模となります。
この結果、同社のビットコイン総保有量は84万3738BTCとなり、ビットコインの総供給量の4%以上を占めることとなりました。これまでの総取得額は約638億7000万ドル(約9兆8999億円)に上り、全体の平均取得価格は1BTCあたり7万5700ドルとなっています。
優先株「STRC」を活用した資金調達スキーム
今回の巨額購入資金の大部分は、優先株(STRC:Variable Rate Series A Perpetual Preferred Stock)の売却によって賄われました。STRCは「Stretch(ストレッチ)」とも呼ばれ、月次の配当を支払う永久優先株です。
5月11日から17日の期間中、同社はSTRCの売却により約19億4900万ドルを調達したほか、普通株(MSTR)の売却で約8370万ドルを確保しました。STRCは2026年に入り、同社がビットコインを購入するための主要な資金調達手段となっており、5月14日には1日の取引高が過去最高の15億ドルを記録するなど、投資家からの強い関心を集めています。
負債買い戻しに伴うビットコイン売却の可能性
今回の購入発表と並行して、Strategy社は財務戦略における重要な方針転換を示唆しました。同社は、2029年満期の無利息転換社債のうち、額面15億ドル分を約13億8000万ドルの割引価格で買い戻す計画を進めています。
注目すべきは、この買い戻し資金の調達源として、手元資金や株式売却に加え、初めて「ビットコインの売却」を公式書類に明記した点です。マイケル・セイラー会長は長期的な蓄積方針を維持する姿勢を見せていますが、負債の圧縮や資本構成の最適化のために資産の一部を現金化する選択肢を提示したことは、市場にとって重要なシグナルと捉えられています。
ポイント
- Strategy社が約20億1000万ドルで2万4869BTCを追加購入し、総保有量は84万3738BTCに達しました。
- 同社の保有量はビットコイン総供給量の4%を突破し、企業による中央集権的な保有の側面でも注目されます。
- 購入資金の約97%は、配当付き優先株「STRC」の売却によって調達されました。
- 15億ドル規模の転換社債買い戻しを計画しており、その資金源としてビットコインの売却が検討対象に含まれています。
- これまでの「決して売却しない」方針から、財務管理の手段として売却を選択肢に含める柔軟な姿勢への転換が見られます。