ブラジルの証券規制当局である証券取引委員会(CVM)は、証券のトークン化に関する規制提案を行うためのタスクフォースを設立しました。このタスクフォースには設立から60日以内に提案を提出する期限が設けられており、実務的なルール作りに向けた迅速な動きが見られます。トークン化は資本市場における重要な構造変化と捉えられており、本取り組みは市場の健全な発展に向けた安全な規制環境の構築を目指すものとして注目されています。
タスクフォースの設立と目的
ブラジル証券取引委員会(CVM)は、分散型台帳技術(DLT:ブロックチェーンなどの技術)を用いた証券トークン化の研究やテスト、標準設定を行うワーキンググループを正式に立ち上げました。このグループにはCVMの複数の内部部門から代表者が参加するほか、政府機関や市場の専門家なども招かれる予定とされています。CVMのトップは、トークン化を資本市場の大きな構造的変革と位置づけており、技術の進化に合わせた革新的な規制対応が必要であると述べています。
規制枠組みで議論される4つの主要課題
今回設立されたタスクフォースが策定する規制枠組みでは、トークン化された証券の取引や管理において極めて重要となる、以下の4つの課題に対処することが明記されています。
- 公式な所有権の記録:トークン化された資産の所有権をどのように公式に証明・記録するか。
- 秘密鍵の保管:デジタル資産へのアクセス権を握る秘密鍵の安全なカストディ(保管・管理)体制のあり方。
- 取引の取り消し可能性:誤送金や不正取引が発生した際、ブロックチェーン上の取引をどのように取り消すか、または修正するか。
- システムの法的責任:システム障害やセキュリティ上の問題が発生した場合における、関係者の法的責任の所在。
これらの課題は、Web3ビジネスを展開する事業者や投資家が直面する実務的なリスクに直結しており、明確な基準が示されることが期待されています。
今後のスケジュールとブラジル市場の展望
タスクフォースは、設立から60日以内に証券トークン化の実験的な規制枠組みに関する提案をCVM理事会に提出するよう義務付けられています。グループ全体の活動期間は当初120日間とされており、必要に応じて30日間の延長が可能とされています。ブラジル国内ではデジタル発行モデルへの関心が高まっており、2025年までにトークン化の規模が7億4,000万ドルを超えるとの予測もなされています。今回の迅速な規制整備は、こうした市場拡大の動きを安全に支えるための土台になると見られます。
ポイント
- ブラジルの証券取引委員会(CVM)が、証券のトークン化に関する規制提案を行うタスクフォースを設立しました。
- タスクフォースは、設立から60日以内に実験的な規制枠組みの提案を提出する期限を課されています。
- 規制枠組みでは、公式な所有権の記録、秘密鍵の保管、取引の取り消し可能性、システムの法的責任という4つの重要課題に対処します。
- ブラジルにおけるトークン化市場の成長に対応し、安全で現代的な市場インフラの構築を目指す動きとして注目されます。