欧州初のビットコイン裏付け優先株が上場、配当10%も調達は目標の半分にとどまる

スウェーデンのビットコイン保有企業であるBitcoin Treasury Capital AB(以下、BTC AB)は、2026年7月20日に欧州初となるビットコイン裏付けの優先株式「BTC PREF」をスウェーデンのSpotlight Stock Marketへ上場させました。この優先株式は年10%の固定配当を毎月支払う設計となっていますが、売り出し分の約52.3%しか購入されず、目標額の約半分が売れ残る結果となりました。本件は、米国で先行するビットコイン財務戦略モデルが欧州へ拡大する兆しを示す一方で、現在の厳しい市場環境における投資家需要の課題を浮き彫りにしています。

欧州初のビットコイン裏付け優先株「BTC PREF」の上場と販売結果

欧州初のビットコイン裏付け優先株が上場、配当10%も調達は目標の半分にとどまる

スウェーデン・ストックホルムを拠点とするBTC ABは、2026年7月20日、同国のSpotlight Stock Marketにおいて優先株式「BTC PREF」の取引を開始したとされています。この優先株は1株あたり120スウェーデン・クローナ(SEK)で販売され、年間12SEK(年利換算で10%)の固定配当が毎月分配される仕組みです。

同社は19万5,078株の売り出しを計画し、満額が購入されれば2,340万SEKの資金調達となる予定でしたが、実際の需要は目標を下回りました。最終的に購入されたのは全体の約52.3%にあたる約1,220万SEKにとどまり、約半数が売れ残る結果となりました。調達された資金は、ビットコインの追加購入や、将来の配当支払いをサポートするための流動性準備金(キャッシュバッファー)の構築に充てられるとされています。

需要が低迷した背景と市場環境

今回の売り出しで約半数が売れ残った背景には、厳しい市場環境と類似商品の動向があるとされています。

本商品の売り出し期間は6月後半にかけて行われましたが、この時期はビットコイン価格の反落と重なっていました。さらに、米国市場において同様のビットコイン財務戦略を展開するStrategy社(旧MicroStrategy社)の優先株式が、額面である100ドルを下回る水準まで下落したことも、投資家の警戒感を強める要因になったと見られます。

ビットコイン価格は過去1年で約45%下落し、現在は6万5,426ドル付近で推移しているとされており、暗号資産市場全体のボラティリティが投資家の参加意欲に影響を与えた可能性があります。

米国発の「ビットコイン財務戦略」が欧州市場へ波及する意義

BTC ABによる優先株の上場は、米国で主流となっている「企業が優先株を発行して資金を調達し、ビットコインを買い増す」という財務モデルを欧州市場に導入する初の試みとして注目されています。

米国では、Strategy社などが発行するビットコイン関連の優先株市場が約130億ドル規模に成長しています。BTC ABの取り組みは、欧州の資本市場においても、単なる現物ビットコインやETF(上場投資信託)のような直接的な投資機会にとどまらず、従来の株式市場の仕組みを利用した多様な金融商品が実験され始めていることを示しています。

BTC ABは現在、約172BTC(約1,100万ドル相当)を保有する比較的小規模な企業ですが、競合他社に先駆けてこの仕組みを公設市場に上場させた実績は、欧州の資本市場においてビットコインに関連する企業の証券化や多様な金融商品の実験が始まっていることを示す事例として注目されています。

ポイント

  • 欧州初のビットコイン裏付け優先株が上場:スウェーデンのBTC ABが、年10%の固定配当を毎月分配する優先株式「BTC PREF」を上場させました。
  • 売り出しは目標の約半分にとどまる:目標額2,340万SEKに対し、実際に調達されたのは約52.3%にあたる約1,220万SEKにとどまりました。
  • 市場の逆風が需要に影響:ビットコイン価格の反落や、米国市場における類似の優先株式の価格下落が、投資家の需要を抑制したと見られます。
  • 企業財務モデルの欧州進出:米国で先行する「優先株で資金調達し、ビットコインを買い増す」モデルの欧州市場における初の適用例として注目されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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