STON.fiがクロスチェーンスワップ機能をローンチ、TONとTRON・EVMネットワークを接続

TON(The Open Network)上の主要なAMM(自動マーケットメーカー)プロトコルであるSTON.fiは、アプリ内において、TON、TRON、Ethereum、Base、BNB Chain、Polygon、Avalanche、Arbitrum、Robinhood Chainの間でステーブルコインを直接移動できるクロスチェーンスワップ機能をローンチしたと発表しました。この機能は、同社が開発した実行レイヤーであるOmnistonによって提供され、ユーザーは中央集権型取引所や従来のブリッジ、ラップド資産に依存することなく、統一されたセルフカストディアル(自己管理型)インターフェースを通じて迅速かつ予測可能な資金移動が可能になるとされています。

主要ネットワーク間の直接的なステーブルコイン移動を実現

STON.fiがクロスチェーンスワップ機能をローンチ、TONとTRON・EVMネットワークを接続

STON.fiが今回ローンチしたクロスチェーンスワップ機能により、TONエコシステムと、TRONおよび主要なEVM(Ethereum Virtual Machine)互換ネットワークとの直接的な接続が実現しました。対象となるネットワークは、TON、TRON、Ethereum、Base、BNB Chain、Polygon、Avalanche、Arbitrum、Robinhood Chainの9種類です。

現在、世界のステーブルコイン市場は総時価総額3,000億ドルを超えており、その中でもTRONとEthereumが最大のネットワークとして市場をリードしているとされています。今回の機能提供により、TONユーザーはこれらの巨大なステーブルコインエコシステムが持つ流動性に直接アクセスできるようになります。また、TRONやEVMネットワークのユーザーにとっても、複雑なブリッジ処理やラップド資産(他チェーンのトークンを模して発行される代替トークン)の管理、決済の不確実性を排除した形で、TONネイティブ資産やウォレット、DeFiプロトコル、Telegramネイティブアプリケーションへ直接アクセスできる経路が確保されることになります。

独自実行レイヤー「Omniston」による迅速かつ安全なトランザクション

このクロスチェーンスワップの基盤となっているのが、STON.fiが開発した実行レイヤーであるOmnistonです。Omnistonは、単なるルーティングや流動性アグリゲーションのシステムにとどまらず、送信元チェーンから送信先チェーンまでのスワッププロセス全体を調整する役割を担っています。これにより、価格設定から最終的な決済に至るまで、クロスチェーンにおけるステーブルコインの移動が予測可能な形で実行される設計となっています。

STON.fi DevのCEOであるSlavik Baranov氏は、ユーザーはブロックチェーンの枠組みで考えるのではなく、自分が何をしたいかで考えていると指摘し、同社の目標はエコシステム間の移動を単一のネットワーク内でのスワップと同じくらいシンプルにすることだと述べています。Omnistonがインフラの複雑さを裏側で処理することで、ユーザーが取引結果に集中できる環境を整えたとしています。

ユーザーにとっての具体的なメリットとしては、取引の迅速性と予測可能性が挙げられます。Omnistonを介したスワップ処理の多くは、約15〜40秒という短時間で完了するとされています。

Web3ビジネスにおける重要性と影響

今回のSTON.fiによるクロスチェーンスワップのローンチは、ブロックチェーン業界、特にDeFi(分散型金融)エコシステムにおいて重要な意味を持つと見られます。

これまで異なるブロックチェーン間で資金を移動させるには、中央集権型取引所を経由するか、セキュリティ上のリスクや操作の複雑さが懸念される従来のブリッジ技術やラップド資産を使用する必要がありました。しかし、STON.fiのセルフカストディアルなアプローチにより、ユーザーは自身の資産の管理権を手放すことなく、安全かつシームレスに複数チェーン間の流動性を活用できるようになります。

特に、急成長を遂げるTONエコシステムやTelegramネイティブアプリケーションへの資金流入が、TRONや主要EVMチェーンから直接促されることで、DeFi全体の活性化や、より幅広い一般ユーザーへのWeb3サービスの普及に寄与する可能性があります。

ポイント

  • TON上の主要AMMプロトコルであるSTON.fiが、TON、TRON、および主要EVMチェーンを接続するクロスチェーンスワップ機能を発表しました。
  • ユーザーは、中央集権型取引所や従来のブリッジ、ラップド資産を利用することなく、セルフカストディアルな環境でステーブルコインを直接移動できます。
  • 取引の実行にはSTON.fiが開発したレイヤーであるOmnistonが採用されており、決済プロセス全体を最適化することで、15〜40秒という迅速な処理を可能にしています。
  • 時価総額3,000億ドルを超えるステーブルコイン市場の主要ネットワークとTONが双方向に接続されることで、エコシステム間のシームレスな資金移動と流動性の向上が期待されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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